アメリカ政府のサイバーセキュリティ対策不足

Richard Stiennon 2007-12-14 12:17:39

米国国土安全保障省の、国内サイバーセキュリティ部門副長官が、ニューヨーク地下鉄のInfraGard(米国政府が支援する基幹インフラ保護のプログラム)の課題に取り組んだようです。私には、彼の論評は日増しに大きくなるサイバーセキュリティに関する、米政府の知識のなさを露呈しているように見えてしまい、うんざりします。

彼の発表文より抜粋。

「御存知の通り、我々と敵対する者が、我々が苦労して守ろうとしているインフラを破壊することを止めることはできません。・・・ 我々はみなリスクにさらされていて、全ての責任も負っている。そして、この重要なシステムを守るためにしなければならないことはまだまだあるのです」とガルシア氏は言っています。「ニューヨークは世界経済の中核です。・・・ウォールストリートに何かあると、世界経済も同じように・・・」

恐怖や不安、疑惑をばら撒いて、いったいどうなるのでしょう。まず、“敵対する者”って何のことをいっているのでしょうか。サイバー犯罪のこと?彼らはもちろん市民の生活基盤にダメージをあたえることなどしたくないはずです。じゃあテロリスト?市民の基盤がそんなに脆弱なものなのであれば、今までどうして止まらずにきたのでしょうか。明らかに、何かが守ってくれていたのだとは思います。もちろん、私が基盤の脆弱性に関して議論したこともありません。

サイバー犯罪に関して、副長官はさらにこう述べています。

サイバー犯罪は、1000億ドルの規模であり、それは不法麻薬取引の規模を上回ります。

情報が持つ力を抑止するのは、とても難しいことです。サイバー犯罪は麻薬取引より儲かるという情報は、本当にそうなる前に止めなければなりません。私ができることはわずかですが、この情報が愚かであることを世に知らせることならできるかもしれません。そうすることで読者の皆さんは、このような情報を宣伝しようとする達を見分けることができるようになるでしょう。

2005年にRyadh で行われたセキュリティイベントで全ては始まりました。米財務省のコンサルタント、Ms. Valerie McNiven の一言です。

昨年(2004年)は、初めてサイバー犯罪によって生み出された利益が麻薬取引を上回りました。その額は、1050億ドルを超える見込みです。

調べてみると、地球規模での麻薬取引の額は4000億ドルに上っていました。対して、アメリカの麻薬取締り機関の予算の見通しは、420億ドルです。政府のサイバー犯罪部門に420億ドルの予算は無く、ガルシア氏はその予算を増やそうと狙っているのでしょうか。

もちろん、サイバー犯罪は深刻な問題です。しかし、1000億ドルの問題になりえますか?私はそうは思いません。確かにその成長は早く、私達は弱い存在です。しかし、サイバー犯罪と不法麻薬産業とを比べるのはばかげていますし、犯罪として誤った見解を示すのはもってのほかです。

※このエントリはZDNetブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および ZDNet編集部の見解・意向を示すものではありません。

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