米国政府によるセキュリティへの不明瞭な60億ドルの投資

Richard Stiennon 2008-02-04 11:45:09

今朝(米国時間1月28日)のウォールストリートジャーナルによると、ブッシュ政権は、1年間でなんと60億ドルをサイバーセキュリティに投資しようとしています!彼らは、米国の電子通信システムが適切に保護されていないことを指摘し、改善のためにはこれだけの予算が必要であると主張しています。ひとつ問題があるとすれば、政府がこの資金の具体的な用途を議会で明らかにしていないことです。

まず、この予算の大きさについて、私の見解を述べたいと思います。60億ドルという金額は、ファイアウォール業界全体の市場規模よりも大きなものです。そうです、チェックポイント、シスコ、ジュニパーネットワークス、ウォッチガード、ソニック ウォール、および世界中で20を超えるその他のベンダー全てのファイアウォールの総売上高を合わせても60億ドルには遠く及びません。ちなみに、セキュリティ業界の市場規模は、240億ドルに満たない状況です。

連邦政府は、いったいどうしたら60億ドルもの資金をサイバーセキュリティに使うことができるのでしょうか?彼らはそれについて、説明なしで、実体のよく分からないもの(英語)を議会で承諾させようとしているのです。国土安全保障省(DHS)は、この新規予算を有効に活用するためには、詳細を明らかにしないままにすべきだと主張するでしょう。私は、これに同意できません。有効なサイバー防衛を考えた場合、秘密裏のセキュリティなんて「ありません」。暗号方式の中で、最も優れたセキュリティが、そのスキームが完全に見え見えなのに、解読できないのと同様に、ネットワークとシステムにとって最も優れたセキュリティは、その全ての詳細を明らかにしているにもかかわらず、見破られないものです。

議会は、信念を貫いて、使途不明なサイバー防衛ソリューションへの予算配分の承認を拒むべきです。もちろん、新しい政策の立案・実行のために投資は必要です。しかし、国土安全保障省に60億ドルもの年間予算を操る権限を与えることは、「新たなサイバー官僚制度」という結果をもたらすでしょう。

セキュリティにとって、透明性が高いことはいいことです。ブッシュ政権は、部門とその使用目的とを明確にして、予算の分配を行うべきです。基準も責任の所在も明確にしないままであれば、来年は、もっと秘密の予算申請が来るでしょう。

※このエントリはZDNetブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および ZDNet編集部の見解・意向を示すものではありません。

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