ヤフー買収提案?サービス化へギアチェンジを決断したマイクロソフト

徳田浩司(Koji Tokuda) 2008-02-02 00:52:34

サービス化の進展を表す、ビッグニュースが新たに飛び込んできた。

1月31日、マイクロソフトがヤフーに対し、446億ドルで買収する買収提案を行ったことを発表したのだ。買収提案は今回がはじめてではなく、過去はいずれもヤフーが退けており、今回これが実現するかどうかはわからない。しかしながら、通常は水面下で進めるものを、今回は先に正式発表を行うなどかなり真剣で、マイクロソフトの危機感は非常に大きいことがうかがえる。ITの付加価値の所在が、ハードウエア・ソフトウエアから、サービスにシフトを続けているからだ。

マイクロソフトも独自のポータルサイト、MSNを持つが、王者Googleに対し、差が広がる一方だ。マイクロソフトはOSでデファクトであるし、Linuxなどオープンソースにおける対抗馬があっても、OS事業においては今後も王者として君臨するに違いない。ウインドウズは、デファクトとして進みながら、数年置きにバージョンアップを繰り返し、上位のミドルウエアを吸収して、買い替え需要を起こしてきた。しかし、それも今後は通用しなくなる可能性が高い。

新しい異変が起こっているからだ。

ソフトウエアビジネスが、ソフトを物理的なパッケージで売る時代ではなくなってきているのだ。インターネットの進展により変革が起きてしまったのだが、ソフトが持つ付加価値の提供の仕方が、パッケージ売りから、本来コンピュータが持つ業務処理というサービスの形態としての売り方に、シフトをしてきているのである。

そして、もう一つあるのが、コンピュータのプラットフォームとしての、PCの位置づけが相対的に低下しているということだ。最近、発表になったNTTドコモとGoogleとの間で交わされた、インターネットサービスにおける提携が、PC離れを物語っている。

サービス化の進展と同時にモバイル化が進み、これまでインターネットを使うためのインフラが、PCだけではなく、携帯電話であったり、PDAであったり、そしてiPhoneが登場したことで、今後はPCである重要性が薄れてきたのは明白だ。PCにおけるOSとしてのWindowsは、今後も君臨し続けても、モバイルを含めた、大きな枠組みでとらえたコンピューティングの世界の中では、Windowsの相対的な地位の低下が懸念されるのだ。

以前のエントリー、BEA買収にみるサービス化の進展 でご説明した図を再度ご紹介したい。

SI3.jpg

ここでいうITとは、PCベースである。サービス化によってPCというプラットフォームに依存しないサービスが増えてきたら?マイクロソフトの牙城も崩れていくのだ。そのため、OSの成長の余地は相対的に次第に小さくなっていく。サービス化の進展と、広告モデルの拡大によって、ソフトウエアがパッケージで売れる時代は終わりを告げたのだ。

ヤフー自体も、Googleの後塵を拝しており、経営合理化を進めるなど苦境にある。そのため、今回は、マイクロソフトの提案を退ける可能性は低いという下馬評だ。もし買収に成功し、Googleに対抗しえる大きな対立軸ができあがれば、今後両者が激しく競争していくことが予想され、サービス化の進展が劇的に加速していくことになるだろう。

(徳田浩司 koji.tokuda at http://www.fusion-reactor.biz

追 記

9月1日追加情報

9月1日、旧中央青山の流れを組む、あらた監査法人と、みすず監査法人は業務を開始した。これは、旧中央青山監査法人の業務停止が8月31日で終了したことを受ける。

提携先である米国プライスウォーターハウスクーパースが「あらた監査法人」を設立し、900人強でスタート。一方旧中央青山監査法人は、「みすず」に名称変更し、た業務をを再開した。

みすずは、2500人。約3500人強いた旧中央青山監査法人のうち、約1000人が減少したそうである。一方、「あらた」は約900人でスタート。契約上場企業数はみすずがが3割減の580社、あらたが約400社だそうである。

旧中央青山の受け皿ができてひとまず安心である。ところでJ-SOX法であるが、対応の遅れは否めず、幸か不幸かガイドラインの発表も遅れており、中央青山の業務停止の影響は表面化はしていないが、どんどん対応が後ろ倒しになり、あとでそのツケが回ってくる可能性がある。

(徳田浩司 koji.tokuda at www.fusion-reactor.biz

Mr.Sam Nakane, formerly the CEO of SAP Japan review my entry and sent an email

Plese see it as following.

"Middle-up & down? No, Top-down is better! Email From Mr. Sam Nakane"

http://blog.japan.zdnet.com/tokuda/a/2007/01/middleup_down_n.html

And you may have some kind of risk regarding your business with Japanese companies because of J-SOX.

Please see my new entry as below,

"Business Checklist Working With a Japanese Company - May be requested for J-SOX compliance, Suddenly"

http://blog.japan.zdnet.com/tokuda/a/2007/01/a_business_chec.html

話が英語教育に脱線したついでに、関連して興味深い記事を発見したのでご紹介したい。

英語教育、韓国は教科書暗記…フィンランドでは英会話 (東亜日報2006年9月14日)

 

フィンランド語は、世界の語族の中で、韓国語、日本語、モンゴル語などとともに「ウラルアルタイ語族」に分類され、「インド・ヨーロッパ語族」である英語と語順、文法などで多くの違いがある。

 

フィンランド教育研究所のポイアラ教育顧問は、「フィンランド語は、前置詞、冠詞などがなく、英語と非常に異なる言語だ。英語を学ぶことは本当に難しいことだが、フィンランド人はみな、英語の大切さを十分知っており、学校で英語をよく教えるので英語が上手だ」と堂々と説明した。

ヘルシンキでは、タクシーの運転手も、英語で日常的な会話ができる。小学生から中年の紳士まで、道で会ったフィンランド人に英語で道を尋ねた時、通じない場合はほとんどなかった。みな学校で学んだ英語の実力だ。

 

 

フィンランドでは小学校3年生(8歳)から英語教育がスタートする。母国語の骨格が完成しており他言語に影響されにくくなった年齢で、更に、外国語を習得するにはぎりぎりセーフという絶妙なタイミングだ。ちなみに韓国は小学校5年生(10歳)ということで、ちょっと遅い。それに比べて日本は現在中学校からで12歳。手遅れである。

そういえば、私も思い当たる節ある。あるシリコンバレーのIT企業のエンジニアがたくみな英語の使い手ですっかり米国のネイティブスピーカーだと思い込んでいた。しかし、出身を聞いて見ると、実はフィンランド人だった。英語などインドヨーロッパ語族はSVO(主語+動詞+目的語)構造であるが、日本語、韓国語、フィンランド語は、SOV(主語+目的語+動詞)構造で、構文がまるっきり異なり、これらを母国語とする国民は、英語を習得するのがもっとも不得意だ。彼は相当な努力をしたのだろうが、フィンランドの教育制度のおかげでもあろう。

国際経済競争力のランキングで、フィンランドは2006年は2位で、2001年から2004年までトップだった。一方、日本は7位で後塵を拝している。フィンランド企業としては携帯電話のNokiaが有名だが、英語教育の成果として、IT立国として成功しているフィンランドを、日本社会も見習うべきだ。

仮想化技術とは少し異なるが、ちょうどZDNetに、サンマイクロから、データセンターの消費電力削減ソリューションの解説があったので、ご紹介したい。

データセンターと地球環境の課題を解決する新機軸

Sun Fire & CoolThreadsサーバ

http://paper.japan.zdnet.com/abstract.htm?wpn=1520&tag=zp.co..

このホワイトペーパーでは、具体的な事例で、コスト算定がなされていて、イメージがわきやすいと思う。これによると、サーバ自身の消費電力に比べて、冷却に必要な空調コストは、なんと4,5倍もかかるそうである。さまざまな技術やピークの平準化などの工夫を凝らしてサーバーをまとめ、CPU数を減らすことができると、大幅にコスト削減効果があるわけだ。やはり、熱の問題は大きくコストを左右し、真剣に議論されるわけである。

会場の様子は、以下のレポートをご覧いただきたい。

「オンラインバンキングは多要素認証と多階層コントロールの時代に突入:RSAカンファレンスレポート」

「ついに見た、Windows Vistaの新しいセキュリティ機能CardSpace-RSAカンファレンスレポート」

また、認証技術を他社に先んじて取り入れ、銀行取引において高い市場シェアを獲得した事例がある。旧パスマーク社が提供するサイトキーを用いたバンカメの取組みについて以前書いた。セキュリティへの取組みの考え方において、セキュリティ=余分なコストと捉えるのではなく、積極的に、売上拡大につなげる手段と捉えた好事例である。参考になるかと思われ、ご一読いただきたいと思う。

「戦略的セキュリティ・システム」投資の衝撃」

「組み合わせ」の事例だが、RSAブースでいくつか新しい試みを発見した。

まだプロトタイプで発売していないという話であったが、生体認証の一つである、指紋認証と組み合わせ、PINコード入力を不要とするものや、ワイヤレス対応し入出管理などにも応用できるタイプのトークンなどが参考展示されていた。

多要素認証のステージになると、二要素認証時代にはライバルであった企業と手を取り合い、セキュリティの「組み合わせ」ソリューションを提供していくことになるのである。

セキュリティは頑丈なものを作っても、時間がたてば、それを打ち破る方法が編み出される。これで完璧ということはなく、何重にもセキュリティの「組み合わせ」が増えてしまう。そう方向性とは違った動きとしえ、マイクロソフトは新しい取組みを行っており、具体的なオンラインバンキングの事例を示し、提案していた。それについては、

「ついに見た、Windows Vistaの新しいセキュリティ機能CardSpace-RSAカンファレンスレポート」をご参照いただきたい。

また、セキュリティにおける認証技術を他社に先んじて取り入れ、競争優位に立つことで高い市場シェアを獲得した事例がある。旧パスマーク社が提供するサイトキーを用いたバンカメ)(Bank of America)の取組みについて以前書いた。セキュリティへの取組みの考え方において、セキュリティ=余分なコストと捉えるのではなく、積極的に、売上拡大につなげる手段と捉えた好事例である。セキュリティ関連部署の方や企画部門の方に参考になるかと思われ、ご興味あれば、これもご一読いただきたいと思う。

「戦略的セキュリティ・システム」投資の衝撃」

次回に続く。http://blog.japan.zdnet.com/tokuda/a/2008/01/20082.html

次回に続く。

http://blog.japan.zdnet.com/tokuda/a/2008/01/2008_1.html

詳しくは、以下のエントリーに解説してあるのでこちらもご参照いただきたい。

IT企業よ、決死の覚悟で米国に進出せよ! ?日本の人口動態とIT産業の行く末

http://blog.japan.zdnet.com/tokuda/a/2006/08/it_it_2.html

以下のレポートもご参照いただきたい。

2006 JavaOneレポート--Javaのオープンソース化に反応するSOAベンダーら

追加の写真は、以下をご参照。

フォトレポート:発見!火星に人?--火星探査車「Spirit」からの衝撃画像

本件の続編も、以下ご参照。

火星人騒ぎの真相をひも解く(ZDNet Japanブログより)

CNetから火星探索関連の記事や写真が多数レポートされているので、以下参照されたい。

フォトレポート:発見!火星に人?--火星探査車「Spirit」からの衝撃画像

シリコンバレーの現場から--やっぱり火星人はいた!?(ZDNet Japanブログより)

NASA、ついに火星人を発見か!?(ZDNet Japanブログより)

グーグル、月に続いて火星の地図も

フォトレポート:火星を駆ける探査車--砂まみれになりながら奮闘

フォトレポート:火星発--ビクトリアクレータの最新画像

火星探査車Opportunity、ビクトリアクレータを調査へ

フォトレポート:地球に届いた火星の高画質写真

火星で青い海に思いをはせる--Mars Roverプロジェクト、予想以上の成果

マイクロソフトからの買収提案を受けて、ヤフーからプレス発表が行われた。ちなみに英文をYahoo翻訳で英日翻訳したものを転記した。

 

 

Yahoo! Board of Directors to Evaluate Unsolicited Proposal From Microsoft

マイクロソフトの頼んでもいない提案を評価するYahoo!取締役会

SUNNYVALE, Calif., Feb 01, 2008 (BUSINESS WIRE) -- Yahoo! Inc. (Nasdaq:YHOO), a leading global Internet company, today said that it has received an unsolicited proposal from Microsoft to acquire the Company. The Company said that its Board of Directors will evaluate this proposal carefully and promptly in the context of Yahoo!'s strategic plans and pursue the best course of action to maximize long-term value for shareholders.

SUNNYVALE、カリフォルニア、2008年2月01日(BUSINESS WIRE)?Yahoo!社(NASDAQ:YHOO)(主要な世界的なインターネット会社)は、今日、それが社を得るというマイクロソフトからの頼んでもいない提案を受け入れたと言いました。社は、その取締役会がYahoo!の戦略的な計画の前後関係で慎重に、そして、すぐにこの提案を評価して、株主のために長期の価値を最大にするために最高の行動方針を進めると言いました。

 

「頼んでもいない」という訳語はとてもおかしいが、これを見る限りでは、個人的な見解だが、M&Aは成立する可能性が高いと思われた。

※このエントリはZDNetブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および ZDNet編集部の見解・意向を示すものではありません。

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