通信革命?NGNを使ったバーチャル取引

徳田浩司(Koji Tokuda) 2008-08-19 11:38:15

今から10年位前インターネットが一般的に普及し始めたころ、オンラインショッピングに対しては、非常に懐疑的な見方が強かった。インターネットでは、商品を手にとって見ることができないし、本当にそのサイトは大丈夫なのか、支払いも非常に不安で、個人情報が盗まれはしないか、など心配が多かった。しかし、現在ではごく当たり前にみんなが利用するようになった。商品は手にすることはできなくとも、バーチャル店舗のサイトに行けば、写真で詳しく見ることができる上、最近はブロードバンドの進展により、動画でより詳しい情報を得ることができる。また、ウエブカメラを利用することで、遠く離れた担当者と直接話をしながら、いろいろと相談することも可能となった。

99年のiモードの登場以来、携帯電話でもインターネットが活用できることになり、携帯電話でのオンラインショッピングも次第に普及してきた。しかしながら、PCを使ったモバイルショッピングに比べ、現状でも、まだまだ制約が大きい。3G電話の登場により、フルブラウザの利用が可能となってからは、メディアリッチなコンテンツを受信できるようにはなった。しかしそれでも携帯網のキャパシティの限界から、大量のデータを一度に受信するのは難しい。特に、最近のトラフィックの急増により、動画に関しては、携帯電話会社からアクセスの制限を受けるケースが増えており、期待通りの速度が得られないことが少なくない。一人のユーザーが大量のトラフィックを消費すると、固定網に比べてまだまだ帯域に限界がある。高価な携帯基地局をむやみに設置することは困難である。そのため、音声通話に支障が出ないよう、制限をかけざるを得ないのだ。PCを使ったショッピングに比べて、まだまだ制約は大きい。

 ところが近年の通信技術の進歩により、上記課題を解決する手段が登場した。NGN(Next Generation Network; IPをベースとした通信網)を基盤としたFMC(Fixed Mobile Convergence)だ。携帯電話網と固定電話網の融合技術である。具体的には、以下である。自宅やビル内など屋内においては、超小型の無線基地局(フェムトセルやWifi)を地上のブロードバンド回線につなぐ。発生する大量のトラフィックを、携帯電話の屋外の大型基地局ではなく、既存の固定網に逃がして、携帯の無線網の負担を軽減する手法である。高価でかつ設置の交渉など非常に困難な鉄塔を建てる代わりに、WiFiのアクセスポイントのような小型の基地局が、きめ細かにカバーする。これにより、限られた無線帯域を有効活用することができ、さらに、ユーザーにとっても、一度に大量のデータの送受信が可能となり、きわめてクリアな動画を得ることができるのである。NGNの認証システムにより、セキュリティ面でも非常に安心だ。

 携帯電話は、屋外で使うものという意識があるが、現実的に、7、8割が屋内での使用である。しかし、建物の壁に阻まれ、電波が届かないというケースが少なくなく、やむなく屋外に出て使っているケースもある。これにより、消費者は、携帯で動画を見ることが可能となる。さらには、携帯の内蔵するカメラを使うことでテレビ電話会議が可能となるのだ。これにより、外出先でも、スマートフォンを使うことで、あたかも銀行の窓口に行って、銀行員に直接相談するのと同じようなことが、可能になるのである。今後は、FMCによる、フェムトセルやWiFiによって、ワイヤレスブロードバンドが手ごろに安く提供されるようになるのである。すでに欧州では広がりつつあり、いよいよ近日中に日本でも実現化されるのである。新しい通信スタイルのスタートである。

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図 NGNによってFMCを実現し、建物全体に高速ワイヤレス・ブロードバンド空間を実現するイメージ

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