アジアIT珍道中、はじまりはじまり!

若井 直樹(Naoki Wakai) 2007-09-08 15:24:59

 この企画が決まった頃、こちらは台風の連続で連日激しい雨が日に1度は降っていた。こちらでの住まいは、フィリピン最大の商業都市であるマカティ市のまさに中心にある。目の前には、高級ブティック街のグリーンベルトとシャングリラホテルがそびえている。一人暮らしには、食事やショッピング、それにオフィス街へは歩いていける距離であり、とても便利なところだ。

 こちらでは、コールセンターの設置がラッシュ状態で、コールセンター屋が一等地の大きなスペースを押さえて回るためにビルの?単価が高騰している。JETROの報告にもあるように、フィリピン人は、タガログ語(地方にはもちろん方言がある)のほかに英語も話せることと人件費が安いために、欧米諸国からのコールセンター業務の受注が急増している。コールセンターは、現在フィリピン最大のIT市場の一つといえ、フィリピンの労働市場を象徴するものかもしれない。

 ところで、私は糖尿病を持っている。いわゆる「シュガーな俺」なのだ。だから、こちらの食生活ではいろいろ気をつかわなければならないと思っていた。フィリピンに関わりを持ってすでに15年近くなる。この国の人たちは、生野菜を始め生ものを食べる習慣がない。市場(いちば)などで見たことのある野菜はどれもおいしそうに見えなかった。ところが今回きてみて変化を発見したのだ。Jolibeeですらフレッシュサラダをメニューに加えたのだ。Jolibeeとは、こちらで最大のハンバーガーショップで、マクドナルドよりも圧倒的に顧客を持っている。味付けがフィリピン人好みらしい。フライドチキンを揚げたりドレッシングに使っているオイルがその謎を解く鍵のように思える。ニノイアキノ空港を降りた経験のある人は思い出してください、降りたときのあの臭い、そう、ココナッツ・オイルの味と臭い。私には食べられないものは元来ないのだが、このココナッツ・オイルだけはどうしてもだめなのだ。とにかく、フレッシュなサラダが、結構あちこちのレストランで食べることができるようになった。食生活もこれで安心だ。この国の糖尿病患者の割合は、全国民の4%強だという統計が先日発表された。多くの人が病院で検査も受けられないくらい、医療費が高くしかも低賃金の国であることを考えると、統計に表れない患者が相当数いるのではと想像される。何せ、とても甘いものが好きで、スターバックスでもとにかく甘いフラペチーノを注文する人が大半だ。そう考えると、「シュガーな俺」たちも多そうだ。

 ちなみにスターバックスのブリューワード・コーヒー(本日のコーヒーってやつです)のショートサイズが、75ペソ(現時点のレートで180円くらい)だ。こちらにきてから、一度1日あたりの最低賃金が引き上げられた。たしか、390ペソ強(20ペソほどのアップ)だったと思う。およそ、980円にあたる。これ、時給じゃなくて日給ですよ。圧倒的に多くのワーカーが、この最低賃金で働いている。この人たちは、会社で昼食をとるのだが、100ペソ以下のものを注文しているようだ。おそらく食費と交通費でほとんど消えてゆく。何のために働いているのかと考えてしまう。当たり前のように、スターバックスなどでコーヒーを楽しむ経済的余裕はないのだ。

 さて、この入稿日程が決まったその日に、私はとんでもない事件に遭遇した。日本食レストランで夕食を食べた後、タクシー(初乗りが30ペソ)を拾うために少し歩いていた。そのときだった。後ろから2人乗りのバイクが築かれないようにそーっと近づいてきて、私が握っていた小さなバッグをかっさらっていったのだ。バイクを使ったこの種の犯罪は、増加しているようだ。中国製のバイクも急速に普及している。この事件は翌週の日本語新聞「マニラ新聞」に掲載された。私が警察でレポートしたものがリークされたのだ。日本のように理由に首をかしげるような殺人事件や犯罪は、この国ではほとんど存在しない。明らかに、貧しさが背景にある犯罪が圧倒的。ある意味では「かわいい」犯罪が多いのが特徴だ。

 なんともこんな風に私の珍道中が始まった、本当にITをレポートできるのだろうか?

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