「ダイヤモンドの原石」? - フィリピンのソフトウェア開発企業

若井 直樹(Naoki Wakai) 2008-07-21 10:37:05

 今年度3月のことだ。CSKベンチャーキャピタルが、フィリピンでサービス型ソフトウエア(SaaS)の開発を手掛けるモルフ・ラブズ(Morph Labs)に投資した。CSKが75万米ドルを出資し、モルフ・ラブズは今年上期に計画する新規株式公開(IPO)に備えるらしい。

 以下、ニュースを引用させていただく。『CSKベンチャーキャピタルの広報担当者は27日、NNAに対し「オープンソースで世界的に有名なウィンストン・ダマリロ氏が会長を務める会社であることが一番の決め手」と述べた上で、「今後、日本国内でSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)を広めていく上で、モルフ・ラブズが手掛けるプラットホーム開発や保有する技術に興味を抱いた」と説明した。また、フィリピンのソフトウェア関連企業で初めてとなる新株公開をサポートしたい意向も示した。 同担当者によれば、ダマリロ会長は、オープンソース型のプラットホーム「エクリプス」開発における世界的な第一人者で、エクリプスによる統合開発環境構築を目指す米国のオープンソース・コンソーシアム「エクリプス.org」のボードメンバーも務める。米国インテル社でのベンチャー・キャピタリストを経て、2000年にはアプリケーション・サーバーや関連サービスを提供するグルーコード(Gluecode Software)を設立。05年にIBMが買収した。また、同氏が出資したオープンソースのサービス指向アーキテクチャ(SOA)ソリューション企業、ロジックブレイズは、07年4月にアイルランドのアイオナ・テクノロジーズによる買収が発表されている。 モルフ・ラブズは6月末までの実施を予定する新株公開に備え、事前に150万米ドルを調達する方針。残りの75万米ドルは、AOキャピタル・パートナーズが出資する。新株公開による調達資金は、世界的に需要が高まっているSaaSサービスのオープンソースによるプラットホーム開発や事業の拡大に充てる意向という。モルフ・ラブズはセブに本拠を置き、マニラ首都圏のほか海外ではロサンゼルス、テキサス州オースティンに事務所を構える。ユーザが必要とするものだけをサービスとして配布し利用できるようにしたSaaSサービスを提供するほか、オープンソースのプラットホームやアプリケーション開発を手掛けている。』

 フィリピンにもこんなIT 企業があるんです。CSKベンチャーが出資するにあっては、ウィンストン氏の実績が重要な要素だったようだ。このウィンストン氏に関して、何人かのベンチャー・キャピタリストやIT企業に勤める友人に評判をきいてみた。「功績はたたえるが、口のうまい、言葉が先行するタイプであまり信用できない。」という評価が多かった。ウィンストン氏の評判はどうであれ、フィリピンには、「ダイヤモンドの原石」がごろごろとは言えないが見つけることは可能だ。日本人の目を曇らせている固定的なイメージを捨てれば、容易ではないがこの原石を見つけることはできる。

 その他にも、SAPのプロジェクトを救った生産管理ソフトウェアを開発し展開している企業、SNSで有名なFacebook、欧米で音楽のダウンロードサイトとして著名なGroove Mobileなどの開発を委託されているソフトウェア開発企業もフィリピンにはある。これらの企業がいずれ世界を代表する製品や技術を生み出す企業となることを期待したい。

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1件のコメント
  • meseyan

    勉強になりました

    2008年11月03日

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  • デジタル変革か?ゲームセットか?

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