空に向かってツンと伸びた髪型

八木大造(Daizo Yagi) 2007-10-24 14:01:11

 ある朝、徹夜明けと思しき社員が仮眠している光景に出くわした。疲れ果て回復に努める体とは対照的に、頭は情報やアイデアをキャッチして蓄えるのにフル回転している様にボクには見えた。アンテナが一本、空に向かってツンと伸びたような髪型のせいだ。頭にアンテナが直結してるんだから、きっといいアイデアが思い浮かぶに違いない・・・。あぁ、きっと、馬鹿馬鹿しいと思われるんでしょうねぇ・・・。でもボクは、これで道が開けるのではないかと真剣に考えたんです。病んでいたのでしょう。申し訳なかったけれど、ボクはその社員の肩を揺すって起こした。ヘアサロンで「ソフトモヒカン ニ シテクダサイ。」と言えばこの画期的な頭にしてもらえる事がわかった。

 モヒカン頭になった1週間後、ボクは会長にプロジェクトの進捗を直接説明することになった。こんな頭なので緊張して会長室のドアをノックすると中には会長と相談役の二人が座っていた。その瞬間、自分も一応管理職であることや、適切な頭の形と言えるのかどうか?とか、ちょっとした後悔が込み上げてきた。「あ、終わったかもしれん・・・。モヒカン野郎に大事なプロジェクトは任せられない。という事になるかもしれん・・・。」こんな時に「後悔先に立たず」の活字がパッと頭に浮かぶ。おかしなもので失敗だらけの人生の理由をガツンと思い知らされたような気がしたが、そんな自分に少し笑えた。

 「八木くん、その頭はどうしたんだね?」やっぱり質問された。もー、どうしようもないので、ボクはことの次第をありのまま説明した。すると二人は大声でどっと笑った。「頑張ってやってくれ。」と激励の言葉までもらったボクは会長室を後にしながら、笑い飛ばしてもらえた奇跡に思いをめぐらせた。

憂 相田みつを

むかしの人の詩にありました

君看よ、双眼の色

語らざれば、憂い無きに似たり

憂いが無いのではありません

悲しみが無いのでもありません

語らないだけなんです

語れないほど、深い憂いだからです

語れないほど、重い悲しみだからです

人にいくら説明したって

まったくわかってもらえないから

語ることをやめて

じっと、こらえているんです

文字にも、ことばにも

到底表せない

深い憂いを

重い悲しみを

心の底深く、ずっしり沈めて

じっと黙っているから

眼が澄んでくるのです

澄んだ眼の底にある

深い憂いのわかる人間になろう

重い悲しみの見える眼を持とう

君看よ、双眼の色

語らざれば、憂い無きに似たり

 ボクは黙っていた訳ではないし、目が澄んでるね。と言われた事もない。でも、ワラにもすがる思いでやっていることを見抜いて頂いたのか・・・。とにかく、こんな自分を起用してくれる会社に自然と情が湧く。「なんとかしなくっちゃ」と思う。 ぜんぜん科学的じゃありませんが、このアンテナがうまく作用したと思える出来事がこれからいくつも起こる。数日後の夜、プロジェクトの大事な方向性を決めるヘンな夢を見たんです。冷蔵庫が開いたり閉じたりしてる夢を・・・???・・・。病んでる自分が笑えます・・・。(つづく)

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