ボクの父は、よく粗大ゴミから物を拾って帰ってきた。「もったいない。」「まだ使える。」「他人にどう思われようと凛としとればよい」が口癖だった。壊れた扇風機や空気清浄機などもサッと直して知人にあげちゃう。「修理済み。お使い下さい。」と張り紙をつけて粗大ゴミ置き場の横に戻しちゃったりもする。粗大ゴミを物色する夫の姿が団地の中で噂になっても母もぜんぜんへっちゃらだ。いつの間にかボクも友達にからかわれても全然気にならなくなっていた。とゆーか父の行動は正しいのではないかと、ひそかに父の肩を持つようになっていた。
高校のとき「原付バイクを買って下さい」と父にお願いしたら、次の週に粗大ゴミから原付バイクを拾ってきた。「うわっ、そうきたか。」たしか自転車の時もそうだった。ずいぶん型落ちの黄ばんだ赤のパセッタだ。勝手に登録まで済ませている。ボクは仕方なくパセッタに乗ることになった。通学途中にこれで女子高の前を通過しないといけないのが痛かったけれど、今じゃこれもいい思い出なのです。
高校を卒業して就職してからも、しばらくパセッタにお世話になった。もー古くてボロボロなのでスピードが出ない。でも、いつの間にか他のバイクに抜かされるのが全然気にならなくなっていた。そう言えば大正9年生まれの父は、人生を語るときも古い引用が多かった。
やってみせ 言って聞かせて させてみせ ほめてやらねば 人は動かじ
話し合い 耳を傾け 承認し 任せてやらねば 人は育たず
やっている 姿を感謝で見守って 信頼せねば 人は実らず
山本五十六(1884-1943)
相談役が退任の日「八木さん、今ですよ」と秘書のイムラちゃんが連絡をくれた。イムラちゃんには「相談役がひとりになったら教えてね。」とお願いをしておいた。ドアをノックして開けると、相談役はちょうど荷物の整理をされていた。部屋の中は、紐で束ねられたビジネス書や置物などが纏められていた。「処分するのももったいない。まだ使えるものもあるだろう。ほしいものがあればなんでも好きに持っていきなさい。」相談役の言葉が、父の懐かしい口癖と微妙に重なって聞こえた。ボクは壁に掛けられたままの「凛」の書を差して「記念にそれを私に頂けませんでしょうか?」とお願いした。相談役は常に、ほめて、任せて、信頼して下さいました。おかげさまで今も勇気をもって仕事ができています。ありがとうございました。(つづく)
七夕の日に、日経新聞と週間BCNで「ネットde家系図」の記事が掲載され3日間で新規会員250名、系図登録も2500名を超えました。またこれに合わせて「ネットde家系図」のトップ画面をリニューアルしました。今回はFLASHを使って・・パラパラパラパラ・・ビュン!ビュン!・・ピヨッ、ピヨッ!ってな感じなので、是非遊びに来てくださいませ。→http://www.ftree.jp
アメリさんはおNEWのキーボードを自分が弾く前にボクに弾かせてくれました。みんな自分の大切なものをボクにくれたり、使わせてくれるのです。ありがとうございました。(今年3月:六本木EDGE)
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