CIOがEnterprise2.0をリードする

吉田健一(Kenichi Yoshida) 2006-11-19 21:36:20

 先日、リアルコム主催で、CIO Roundtableと題し大手企業のCIOの方を招いたディスカッションセッションを開催した。テーマは「Enterprise2.0は幻想か?」。日本を代表する大手企業20社のCIOの方にお集まりいただき、熱い議論が交わされた。当社のような海のものとも山のものとも分からないベンチャー企業が主催したにもかかわらず、ご多忙な皆様に足を運んでいただき、大変有意義な議論をすることができた。この場を借りて、心から御礼申し上げたい。

■CIO Round Table

 まず当社のアドバイザーであり、シリコンバレーを代表するベンチャーキャピタリストであるNetService Venture Groupの校條さんに「米国におけるEnterprise2.0の状況」に関してお話いただいた。「シリコンバレーで最もインサイダーな日本人」である校條さんのお話は大変生々しく、CIOの皆さんの心に深く刺さったようだ。また、校條さんが指摘された「Web2.0の流れとEnterpriseをどう両立させるか」という問題提起は、その後のディスカッションのメイントピックとなった。(今回、本件のためにご来日いただき、本当にありがとうございました。)

 次に、当社のパートナーであるGoogle社でEnterpriseをご担当されている大須賀さんよりGoogle社のEnterprise事業の取り組みに関してお話いただいた。Web2.0を代表するGoogle社がEnterpriseに対してどのような展開をしていくのか、非常に興味深かった。

 そして、その後、CIOの皆さんによるディスカッションが行われた。テーマは、

  • Web2.0はEnterpriseに適応できるか

  • Web2.0とガバナンスを両立させるには

  • Enterprise2.0時代のCIOの役割とは

    といったポイントに集中した。

    ■Enterprise2.0は幻想ではない

     このCIO Roundtable、私には非常に衝撃であった。というのもこれまでは、

    「大手企業のCIOの皆さんは現実的であまりWeb2.0のようなテーマに興味を持っていないのではないか?興味はあっても一歩引いて懐疑的に見ているのではないか?」

    と思っていた。しかし、その考えはもろくもぶち壊された。

     まず、ご参加いただいた大手企業の大半が、例えばBlogやSNSなど何らかのEnterprise2.0の取り組みを、CIOの方が主導して実施している、もしくは検討をしていた。BlogやSNSなどは部門がゲリラ的に実施しておりCIOからすると取締の対象に当たるのではと思っていたがそんなことはなかった。多くがまだパイロット段階であったが、あくまでCIOの方が主導して、そうしたプロジェクトを進めていたのだ。

     そして、衝撃的だったコメントを幾つか。

  • 「社内でEnterprise2.0の取り組みをやってもやらなくても、Webの世界ではWeb2.0が

    進行している。Mixiには従業員同士のコミュニティがある。それを止めようとしても止めることはできない。であれば、Webの世界よりも魅力的な環境をEnterpriseで提供するしかない。」

  • 「企業の壁を意識すること自体がナンセンスである。当社ではお客様のコミュニティを作り、お客様と製品開発担当が企業の壁を超えてコラボレーションを行い、製品開発を行っている。」

  • 「システムは必ずしも社内で構築し提供するということにはこだわっていない。良いもので要件を満たせば、SaaSでもWeb2.0でもかまわない。無料で広告が出てもよいだろう。例えば、スケジューラーはGoogle Callenderでも全くかまわない。」

    ■CIOがリードするEnterprise2.0

     校條さんのお話でとても印象的だったのが

     「Blog、SNS、Wikiが当たり前な世代がこれからEnterpriseに入社してくる。その時、Enterpriseはどう対応をしていくのか?」

     という問題提起である。それに対してCIOの皆さんのお答えは様々であったが、総じて、

     「我々が先回りしてEnterprise2.0をリードしていく」

     というトーンだった。今回ご参加いただいたCIOの皆さんはEnterprise2.0の問題意識が強い最先端のCIOだったのかもしれない。しかし、これほど多くの先進企業のCIOの方が同じ意識を持っているのであれば、Enterprise2.0の世界は思ったより早く実現されるかもしれない。

     議論はつきないのだが、次回以降、CIO Round Tableで議題となった3つのポイント「集合知」「マッシュアップ」「エクスペリエンス」の3つに関して、深く取り上げてみたい。

    吉田健一@リアルコム

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