日本通運はトラック車両の運送業務を可視化、分析するオペレーション支援システムを導入、7月から稼働させている。日本IBMが7月11日に発表した。
日本通運は「グローバルロジスティクス企業としての成長」「戦略的環境経営の推進」「経営基盤の強化」「CSR経営の推進」などの基本戦略を実現するため、2009年から従来の基幹業務単位で運営していた情報システムを統合し、一元的に情報を可視化できる情報システムの全面刷新に取り組んだ。
新システムは、全国800の運送拠点で稼働する1万台のトラックの車両位置、走行速度、積荷状況などの運行情報や運送業務の作業進捗、約1万人のドライバーの乗務記録、運転情報や勤怠記録などのビッグデータを活用するためのプライベートクラウド基盤だ。
新システムには、位置情報アプリケーション「Google Maps」、データ・テックのデジタル式運行記録計「SRVDigitacho N」「SRVDigitacho N」、運転管理ソフト「SafetyMaster」、ウィンクスの動態管理ソフト「パワーナビ」、NTTドコモの携帯端末「MEDIAS U N-02E」、これらの各種システムのデータと日本通運のプライベートクラウド基盤を連携するNTTドコモの通信ネットワークが活用されている。
MEDIAS U N-02Eは、ドライバーによる作業進捗を報告するための端末として導入された。Google Mapsは、運行するトラックの位置情報をリアルタイムに特定し、動態管理に活用される。SRVDigitacho Nは、トラックの発車や停車、ハンドル操作、速度などの運行情報を蓄積する。
Safety Masterは、デジタル式運行記録計で蓄積した情報を分析し、運転指導やエコドライブに活用される。パワーナビで作業進捗を登録、乗務記録を作成する。さらに、従来から運用するドライバーの勤怠管理の仕組みを新システムに統合し、業務の効率化と人員の稼働状況の把握をさらに強化するとした。
日本IBMは、これらの複数製品やサービスを組み合わせた新システムの構築プロジェクトを担当した。
日本通運は全社オペレーションの標準化と効率の向上、リアルタイムな運行情報や進捗状況の把握による最適な配送、運転情報の分析による運転管理、エコドライブ推進などを通じて、国内の複合事業営業利益率3%、CO2排出量1%以上の削減を目指す。