日本のデルが、オープンソースソフトウェア(OSS)との関係強化を活発化している。前回はオープンソースのOSを中心にインフラ系の分野で高い技術を持つオープンソース・ソリューション・テクノロジ(OSSTech)とデルとのアライアンスを紹介した。今回はエンタープライズ市場においてOSS関連ソリューションビジネスを積極的に展開し、TomcatやJBoss、MySQL等のオープンソースのミドルウェアに強く、実績も豊富な野村総合研究所(NRI)とデルとの協力関係について、NRI のオープンソースソリューションセンターマネージャーである寺田雄一氏にアライアンスの経緯と目的、さらには今後の取り組みなどについて話を伺った。
大手企業でも活用が定着してきた
OSSのツールやテクノロジ
エンタープライズ市場において、OSSの利用促進を図るため、デルと野村総合研究所(NRI)がアライアンスを発表したのは2006年8月のことだ。デルのPowerEdgeサーバにNRIで動作検証済みのOSSを含んだソリューションパッケージ製品の提供を開始した。オープンソースのミドルウェアで構成されたJavaベースのWebアプリケーションサーバ製品と、オープンソースのデータベースとOLAPエンジンを搭載したBI(ビジネスインテリジェンス)サーバ製品がそれである。
同年11月から、さらにMySQL ABも加わって、デルのPowerEdgeサーバと「Dell|EMC」ストレージに、OSSデータベースのMySQLをバンドルしたソリューションパッケージを提供している。
いずれのソリューションもハードウェアのサイジングや設計、インフラ構築をデルのDPS(デル・プロフェッショナル・サービス事業部)が行い、ミドルウェアのシステム構築と保守、サポートサービスはNRIオープンソースソリューションセンターが提供する。
さて、NRIにおけるOSSの取り組みは、2003年の「オープンソースソリューションセンター」の発足によって加速した。「オープンソースソリューションセンター」とは、これまでNRIグループが金融・証券・流通等の様々な業態のシステムの構築で蓄積してきたOSSに関する知識、技術、ノウハウを集中一元化したOSSの専門組織で、他社に先駆けて設立したものである。同センターマネージャーである寺田雄一氏は「2006年以降、大手企業においてもオープンソースを導入する案件が急激に増えています。業務システムにオープンソースを導入した事例が相次ぎ、『オープンソースでも出来る』ということが広く認知されたためです」と分析する。
株式会社野村総合研究所(NRI)情報技術本部
オープンソースソリューション
センターマネージャー
寺田 雄一氏
NRIでは、オープンソースソリューションセンター設立以降、数十社の大手企業にオープンソースを導入してきた。NRIはそうしたノウハウをベースにして、顧客やシステムインテグレーターに対してOSSのサポートサービスやOSS導入支援サービスを直接提供するブランド「OpenStandia(オープンスタンディア)」を2006年8月にスタートした。
そうした流れの中で、OSSへの取り組みを進めているデルとのアライアンスが成立した。これが、先に述べた「OSSソリューションパッケージ」が登場した背景となったのである。これらの製品は、TomcatやJBoss、MySQLなど、動作検証済みのオープンソースのミドルウェアスタックをデルサーバにバンドルしたもので「オープンソースWebAPサーバ・モデル」、「オープンソースDBサーバ・モデル」、「オープンソースBIサーバ・モデル」として提供されている。
デルとOpenStandiaによるOSSソリューションパッケージ
オープンソースWebAPサーバ・モデルTomcat、JBossを中心に、アプリケーション開発フレームワークやJava共通部品群など、オープンスタンダードなコンポーネントで構成される、JavaベースのWebアプリケーションサーバ
オープンソースBIサーバ・モデルオープンソースのデータベースエンジンとOLAPエンジンの組み合わせで実現した、「多次元情報分析システム」搭載のオール・イン・ワンパッケージ
オープンソースDBサーバ・モデル予め検証を行ったハードウェアとOSSのMySQLのデータベース・ソリューションパッケージ
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