ウイルスにはじまり、フィッシング、スパム、誤送信による情報漏洩など、メールにまつわる問題は数多い。その中でも日常的なビジネスに最も頻繁に関わってくるのが、スパムの存在だ。しかも、企業や個人に届くスパムの数は日々増大しており、業務効率の低下はもちろん管理コストもとても見過ごすことができなくなっている。そこで今回はスパムが及ぼすビジネスへの影響を管理という側面から見ていくことにしよう。
アンチスパムソリューションの効果に満足度が低い実情
スパムが企業や個人に与える最も大きな悪影響。それは管理の手間の増大だ。まず、個人が手作業で処理する手間を考えてみよう。このケースでは、エンドユーザーに届くメールの中でスパムと正規のメールを見分け、振り分ける作業、これが管理の手間となる。1日に届くスパムの数がわずかであれば、その手間はたいしたことはないが、100通を超えるようになると、話は変わってくる。
まず、正規のメールかスパムかを見分けるだけで、数秒の時間を無駄にする。また、現在のビジネススタイルでは頻繁にメールの着信を意識するため、業務中にたびたび意識の分断が発生する。メールが届いてからスパムだと判断し、廃棄するまでの時間がミニマムとして約6秒とすると、100通あれば600秒、つまりは1日あたり10分の時間が無駄となるのだ。企業の単位で考えれば、この無駄な時間の浪費が社員の数だけ発生することになり、100名の企業であれば0.1(時間/1日あたり)×100(名)×200(1年間の営業日)=合計2000時間となる。もし、社員の平均時給を2000円とするならば、これだけで年間400万円もの損失が出ている計算となるのだ。
こうした問題を解決すべく、企業ではスパムメールフィルターを導入する動きが進んでいる。だが、従来のウイルス対策のように、導入したら、すぐにその効果が発揮され、問題解決に至るというケースはあまり存在しない。導入した後もエンドユーザーから多数の苦情や問い合わせが寄せられ、情報システム部門やサポート部門が苦労したという話は後を絶たないのが実情だ。
それではなぜ、アンチスパムソリューションを導入しても解決できないのか?これは、「ウイルス=確実に不要なもの」であり、「スパム=必ずしも不要なものでない」という属性の違いに起因している。例えば、ウイルスは添付されていたら駆除するという作業を行えばよいため、各社の提供するソリューションはほぼすべて自動化できる仕組みになっているものが多い。また、同様の理由からユーザー毎や部門毎の個別設定も不要なのだ。
これに対して、アンチスパムソリューションの場合には、各社の提供するソリューションの内容はまちまちであり、その精度に大きく依存するのに加えて、個別のチューニングを必要とする場合もある。こうした状況が、アンチスパムソリューションを導入したのに、効果があまりみられない、管理の手間を低減できないという状況につながっているのだ。
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