前回お伝えしたとおり、企業のセキュリティ対策における個別対応は進展しつつある。しかしながら、包括的なセキュリティマネジメントについて徹底化されている企業はまだ少ないのが現状である。今回はセキュリティマネジメントが一般に浸透しない要因について、引き続きNRIセキュアの定期レポート結果を交えながら解説していこうと思う。
■業務の効率化と社員の保護を実現するセキュリティマネジメント
企業が進めているセキュリティ対策は、たとえばウイルスやスパム対策やIDSなどのネットワークセキュリティだったり、個人情報漏洩対策だったり、個別の対応が主流である。基本的には、アプライアンスやソフトなどのツールを導入する、社内ルールを策定する、といった対策がメインとなっているだろう。
しかし、セキュリティのツールを導入しただけではセキュリティのマネジメント管理ができているとは言い難い。ツールやソリューションの導入を経て、マネジメントの確立が必須となる。例えばログを収集するツールを導入しても、収集したログを分析、管理するなど、具体的な対策につなげる仕組み作りに繋がらなければ導入の効果が薄れてしまう。
各種セキュリティツールの導入による対策が進んだ結果、セキュリティに纏わる事故は減少してきている。対策が進むと「うっかりミス」での情報漏洩などの事故は減る。NRIセキュア社によると、本来のセキュリティマネジメントは、社内のシステムを悪用する社員を探し出すためというよりは、セキュリティ事故から「社員を守るためのもの」だという。セキュリティマネジメントの確立の目的は悪意から情報資産を徹底して守り、善意の社員が無意識の中で引き起こすようなセキュリティ事故を未然に防ぐことにある。
しかし、セキュリティ対策は導入よりもそれを維持していくことが難しい。たとえば今までウイルス対策をしてきて、そこにIDS等を追加するとなった場合、システム部門の管理における仕事量が増える事になり、当然ながら人的リソースの関係もあるため維持するのが難しくなる。結果として「追加導入したいのはやまやまだが…」という羽目になりかねない。
また、昨今の企業を表現するにあたり、業務のアウトソーシングと人材の多国籍化というポイントは見逃せない。産業スパイのような悪意のある人間が入り込む余地が大きくなることから、これまでのセキュリティマネジメントの対象範囲を拡大していく必要がある。
内部統制は社内だけでなく、アウトソーシング先でも強化しておく必要がある
企業における重要な情報は個人情報のみならず、開発中の製品データや設計図、そしてノウハウのような知的財産に関わるデータに加え、財務関連の情報など多岐に渡る。個人情報の漏洩自体は、コンプライアンス(法令順守)にかかわるダメージと、損害賠償の可能性という問題があるが、知財などの情報の漏洩は、ビジネスに直結したダメージが与えられる。
「セキュリティ」 の新着情報
-
ISPの悪質サイトブロックと「通信の秘密」
セキュアコンピューティングジャパンのカンファレンスに登壇したNTTPCコミュニケーションズの小山覚氏は、法律が許せばISPが... - マイクロソフト、9月の月例パッチを予告--緊急レベルが4件
- グーグルが「Chrome」を作った理由--高速ブラウジングがもたらす利益
- ヴイエムウェアが複数の脆弱性への修正パッチを公開
- 「Google Chrome」に初のセキュリティ上の脆弱性
- セキュリティ 一覧へ »
「企業内セキュリティ監査」 のバックナンバー
-
【第6回】セキュリティ文化を企業に根付かせる必要性とは
これまで、企業におけるセキュリティ監査の現状と課題を紹介し、企業のセキュリティ対策は進展しているものの、そのセキュリティ対策全体を管理するセキュリティマネジメントについてはまだ不安があることを明らかにした。その対策として、NRIセキュアテクノロジーズ(以下、NRIセキュア)のPC CheckとAccess Checkにフォーカスをあて、セキュリティマネジメントをどう実現するか、その方法を示してみた。最終回となる今回は、セキュリティマネジメントを実現するためのベンダー選定基準をどこに置くべきかにフォーカスをあて、それに対して、セキュリティマネジメントを企業の文化にまで昇華させようという理念を掲げるNRIセキュア独自の強みを深く掘り下げてみたいと思う。 -
【第4回】企業の情報資産を高いセキュリティレベルで管理する必然性
-
【第3回】「エンドポイントのクライアントPCにおけるセキュリティ統合管理の必然性」
-
【第2回】「企業におけるセキュリティ監査をとりまく現状と課題、対応策(後編)
-
【第1回】「企業におけるセキュリティ監査をとりまく現状と課題、対応策」(前編)
- 企業内セキュリティ監査 一覧へ »
ZDNet Japan Essential Topic
-
【今注目のIT企業は何を考える…??】
オススメIT系求人情報も毎週月曜日更新! -
コラボレーション基盤特集
Notes置換とバージョンアップの情報はこちら
企画特集
-
ZDNet Japan ホスティング特集
2008年夏のホスティングサービスのトレンドは何? -
KDDI「SaaSソリューション」
〜社内コミュニケーションの課題への解決策とは〜 -
サーバ仮想化・グリーン化の利点を最大化!
多機能・高価値なNetAppストレージの秘密とは -
「シンプル」&「低コスト」な運用管理
IT運用管理に関するアンケート実施中! -
ZDNet Japan Green IT
サミットだけでは終わらせない!エンタープライズの取り組みはこれからだ! -
セキュリティ対策レベルテスト公開!
自社のセキュリティのウイークポイントはドコ? -
Techno Exchange
RackableとCTCの地球にやさしい関係 -
ログ管理ソリューション特集
セキュリティ、コンプライアンス対策で注目度アップ! -
APC SOLUTIONS FORUM 2008をレポート
電源、冷却の効率化によるエネルギー削減とは? -
Webセキュリティ特集
Web2.0時代の脅威へ対抗するためのソリューションとは? -
IronPort Sシリーズ
Webからの脅威に関する課題の3つの解決方法 -
Secure Web
Web2.0時代にプロアクティブなセキュリティを実現!! -
【ログ管理】Logstorage、SecureEagle/SIM
内部統制のためのソリューションを紹介!
ZDNet Japan イベント
- 開催日:2008年9月29日(月)
- イベント一覧へ»
