インターネット上の商取引に代表されるようなコンピューター同士の情報交換に加え、人にも理解できる言語として開発されたXML。データの構造や項目を自由に設定できるという柔軟性の高さが幅広いユーザーに理解され、XMLの適用範囲は広がり続けている。そして適用範囲の拡大によって有望視されているのが、XMLを最大限に活用できる「XMLデータベース」と呼ばれるソリューションだ。ここでは、XMLデータベースが果たす役割と市場動向、そして最新のソリューションや導入事例について見ていくことにする。
市場は黎明期から成長期へ
2008年には現在の6倍の規模に
XMLデータベースが注目される理由には、各種データのやりとりが急速にXMLをベースとしたものへと変化していることに加え、従来のリレーショナルデータベースでは扱えなかった変化の激しいデータを管理/活用できることが挙げられる。
インターネットをはじめとするITの普及によりビジネスのスピードは一気に加速し、企業を取り巻くビジネス環境や状況は常に変化し続けている。そうした中では、企業が取り扱うデータの内容はもちろん、データを構成する要素も変化が求められる。この結果、リレーショナルデータベースのデータ構造に変更を施すのが難しいという特性を補完するソリューションとして、柔軟性の高いシステムを構築できるXMLデータベースが脚光を浴びている。
ただ、実際のところXMLデータベースという言葉はまだまだ世の中に浸透していない。そこで、まずはXMLデータベースの市場がどのように発展してきたか、そしてどのように成長する可能性を持っているのかといった、市場動向から見ていくことにしよう。
富士キメラ総研が発表したレポートによると、XMLデータベースの市場は下の図にあるように2004年が6億3500万円の出荷実績となっている。そして、2005年が対前年比51.18%増の9億6000万円の見込み、さらに2008年にはその6倍の58億円の市場になると予測している。それではなぜこのようにXMLデータベースの市場が、ここ数年で大幅な伸びを記録すると予測されているのかを紐解くことにしよう。

XMLデータベースの市場が成長するきっかけは、2004年までに電子政府やニュース記事配信、電子カルテなどのデータ交換用途としてXMLデータを活用する分野が拡大してきたことにある。また、柔軟性や拡張性といった利点から非定型なビジネス文書の共有を目的としたコンテンツ管理の領域までXMLデータの活用が拡大したこともその一助となった。
例えば、PDFは、現在、企業が情報を蓄積したり、交換したり、Webでのドキュメント掲載をしたりするなど広範に利用されているが、そのPDFを作成するためのソフトであるアドビのアクロバットは2001年の時点でXMLへの対応を果たしている。つまり2001年の段階ですでに企業の中でXMLを用いてデータを蓄積する環境は整っていたわけだ。
企業は、このような形でXMLデータを蓄積してきたわけであるが、当然、データが増加すればそれを管理/活用したいというニーズは確実に増加する。結果として管理/活用を可能にするXMLデータベースの市場が、XMLの普及と共に徐々に拡大してきたわけだ。
なお、マイクロソフトでは2003年の時点で、Windows XPの次期バージョンである「Windows Vista(開発コードネーム:ロングホーン)」で採用するファイルシステム「WinFS」の詳細を発表しているが、そこで「WinFSはリレーショナルデータベース技術と、XMLデータベース技術、そしてファイルシステムのファイルストリーミングが1つにまとめられたものだと考えていただきたい。これは中立的で、アプリケーションに依存しない(ストレージ)フォーマットである」と語っている。(米MS、Longhornの新ファイルシステム「WinFS」の詳細発表)このことからも、XMLとXMLデータベースに高い将来性が期待されていたことが伺える。
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