冨田:ここからは、製品についてのお話をお聞きします。BPMの基盤となるのが「webMethods Suite」ですね。
木村:webMethodsは大別すると、SOA、BPM、BAM(Business Activity Monitoring)となります。これらは1つ1つのモジュールとして稼動し、それぞれを個別に購入することもできます。
基本的にはツールなので、使い方によっていかなる業界でも利用できますが、特徴であるリアルタイム性をより生かせるのは、金融、通信、流通などでしょう。製造業でもよく使われています。この分野で扱われる半導体は生物のように変動が激しいので、価格、在庫量など、世界中の動きをリアルタイムで見られる点は重宝されていると思います
冨田:PDCAの「C」、Checkの部分でここに何かあるというように、つまずきに気づくことのできる指標はありますか?
木村:たとえば、分析する際にデータをフィルタリングして、3回連続して標準とかけ離れた結果が出ればアラートが出ます。それは、BPM、BAMの便利な機能といえるでしょう。ルールを簡単に設定して、異常値を検出できるわけです。
エンドユーザーと情報部門が話し合うことで、何か起こったとしたら何をすべきかがみえてきます。危ない兆候を捉え、問題が起きるのを防げるのです。
冨田:ビジネスプロセスの改善や、SOAに対する関心はどのように変化していますか?
木村:欧米ではかなり進んできていると認識していますが、日本ではまだまだでしょう。ほとんどすべての企業が関心を持って、実行しているいうところまでは進んでいません。
ただ、日本版SOX法への対応や、昨今の経済不況の影響で、関心が高くなってきていることは感じられます。
冨田:プロセスの改善をクラウド側で行うなど、クラウドコンピューティングの活用は進んでいるのでしょうか?
木村:クラウドやSaaSを提供する側は相手先によって個々に異なるサービスにしなければなりませんが、そこはBPMでカバーしようというのが最近の潮流です。さまざまな企業向けに機能をサービス化して、必要に応じてサービスを提供することになります。
社内のIT資産をデータセンターに集約し、自社システム向けにサービスを供給する「プライベートクラウド」の動きも活発になってきました。複数の企業(の情報システム)を統合するような場合、いずれかの企業がイニシアティブをとるのではなく、SaaSの会社を新しく立ち上げ、そこからサービスを提供をしていくことで、一つの企業体のITインフラを形成していくと考えている企業も非常に多くあります。
互いに既存資産を活かし、サービス化して、業務の違いはBPMでカバーする。ホストマシンをすべてウェブ上で操作できるApplication Modernizationという当社のソリューションですべでウェブ化するなどの方法もあり、SOAやBPMへの流れは自然なものです。
冨田:プライベートクラウドへの取り組みは、日本企業もいよいよ本腰を入れ始めたといいうことですか。
木村:これまでは掛け声ばかりが聞こえてきたのですが、最近はかなり本気のようだと感じています。まったく別の新会社を設けてITサービスを委託すると効率的に既存資産が使われるためです。
10社の子会社を保有する企業の場合を考えてみましょう。月末の締めのためにサーバを10台持ち、他の社では月初のピークのために20台あるとします。これらを統合すると、ピーク時を考えても20台で運用は可能になります。
また、現在は法令順守、セキュリティの確保が強く求められる時代でもあります。これを子会社でやれば投資や人が必要になり負担も大きくなりますが、別会社でまとめてやると法令順守やセキュリティの徹底を後押しすることにもなります。
冨田:BPMやSOAに着手できていない企業には、どんな提案をして支援していますか?
木村:BPMとSOAは「何でもできます」という雰囲気がありますが、顧客企業が実際にどう取り組むのか。全体の戦略に照らして、業務のあり方も含めて目標を立て、それでその先どう行動するのか――そのような流れをヒアリング、数値化し、この策を打てば投資対効果はこのくらいになるといったことを、我々はさまざまなツールによって示すことができます。
この山を登るためには、このルートで行きましょうと、最初に定義してそれに合わせてツールを使ってもらうということが要点になります。
冨田:読者の皆さまには先にもお伝えしたとおり、6月10日は「現在の追い詰められた状態からの解放」というテーマでご講演頂く予定です。木村さん、楽しみにしています。本日はありがとうございました。
エンタープライズアーキテクチャの構築からプライベートクラウドまでを含めて講演する木村礼壮氏。聞き手はZDNet Japan編集長 冨田秀継(左)
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