既報の通り、富士通は9月25日、代表取締役社長の交代を発表し、同日夜に都内で説明会を開催した。
間塚道義氏
今回の人事は、9月25日に富士通で開催される定例取締役会の前に、野副氏が病気治療を理由に間塚氏へ辞任の意向を伝えたことに端を発する。これを受け、富士通の取締役会は野副氏の辞任を受諾、同日正午過ぎに現代表取締役会長の間塚道義氏が社長を兼務する人事を発表した。
「野副氏から病気を理由に代表取締役社長および取締役の職を辞したいと伝えられた。なにぶん急なことであり、企業活動の継続性を考え、当面は私が代表取締役社長を兼任させて頂くことになった」と間塚氏は述べる。
続けて「今回の野副氏の辞任は大変残念。(野副氏は)構造改革を積極的に推進していたが、あれだけ積極的にできる人はなかなかいない。中期経営計画では、お客様起点、グローバル起点、環境起点と説明しているが、(今後も)これをきっちりと推進させて頂く」と語っている。
辞任申し出の前に間塚氏と野副氏が会ったのは「連休前」(間塚氏)が最後。
後任人事については、「まずはこの緊急事態の影響を最小限に留めることに力を注ぎ、その後で後任の社長を考えたい」(間塚氏)意向。富士通は今後、指名委員会を新設して後任社長の議論を進める考えだ。
強いリーダーシップで富士通の経営改革に挑んだ野副氏は相談役に就任し、経営の第一線から身を退く。
富士通は7月23日に2011年度を最終年度とする新中期経営計画を発表したばかり。同計画では、2011年度に売上高5兆円、営業利益を過去最高益となる2500億円(2008年度実績は687億円)、当期純利益1300億円(同1123億円の損失)を目標にしている。
7月の経営方針説明会で示された富士通の中期業績目標
中期経営計画(中計)について、間塚氏は「今回の交代でこれを変えることはない」と明言。「中計はみんなで考えて作ったもの。今、現実に各ビジネスグループがこれをベースに(事業を)推進している」と述べ、中計を推進する考えを示した。
富士通は目下、構造改革に加え、傘下の企業に高い専門性を持たせるためにグループを再編中。
今年5月には富士通ビジネスシテスム(FJB)を完全子会社化し、中堅市場向けの営業体制を一本化することを発表。富士通本社は大手、FJBは中堅と棲み分けを勧めたい考えだ。また、社長交代が発表される前日の9月24日には、製造業向けSI事業の再編を表明し、本社のSEら約400人を富士通システムソリューションズなどに出向させる施策を発表していた。
FJBについては、10月1日の新体制発足を控え「ギリギリの議論をしているところ」と間塚氏。最後に野副氏に会った際にも「中堅(FJB)の件を最終的にどうやってまとめるか話した」という。
富士通の経営改革の陣頭指揮を執った野副州旦氏(7月の会見)
社長を兼務する間塚氏は1943年10月生まれの65歳。1968年に富士通ファコム(現富士通エフ・アイ・ピー)に入社し、1971年に富士通本社へ転社する。以後、2001年に東日本営業本部長に就任したのを皮切りに、取締役、執行役、経営執行役常務、取締役専務を歴任。2006年に代表取締役副社長、2008年に代表取締役会長に就任している。
相談役に就任する野副氏は1947年7月生まれの62歳。1971年に富士通に入社し、2001年に政策推進本部長に就任。以後、常務理事、執行役、経営執行役、経営執行役常務、経営執行役上席常務を経て、2008年6月に富士通 代表取締役社長に就任している。
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