ビッグデータに対する10の幻想--適切な取り組みなくして実現せず

Mary Shacklett (Special to TechRepublic) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2014-06-18 07:30

 多くのビジネスリーダーが、奇跡を期待してビッグデータの取り組みを始めているが、結局、ビッグデータによって別の複雑さが生じることや、恩恵を受けるには予想よりもはるかに多くの手間が必要であることに気づく。

 企業が取り組みを進めているのは、ビッグデータが積年のビジネス上の課題に答えをもたらし、市場での競争力を高め、よりよい製品やサービスを提供できるようになることを期待してのことだ。熱気は高まっているが、ビッグデータに間違った期待をしてしまうことも多い。ビッグデータから十分な恩恵を受けるには、適切な手を打つ必要がある。この記事では、その価値を最大化するための正しい手順を踏まない限り、ビッグデータがあるだけでは期待できない10のことを説明する。

1.ビジネス上の課題を解決する

 ビッグデータはビジネス上の課題を解決してはくれない。解決するのは人間だ。作業に入る前に、時間を取ってビッグデータからどのような情報を引き出したいのかを決めた組織だけが、求めているビジネスインテリジェンスを得ることができる。

2.データ管理を楽にする

 IBMによれば、世界では毎日250京バイトのデータが生成されているという。そのほとんどがビッグデータだ。当然ながら、世界中の企業が管理するデータの量も指数関数的に増えている。明確なデータ保持ポリシーおよび利用のポリシーがないまま(特にビッグデータに関して)データが積み上がっていけば、企業はますますその管理に苦労することになる。

3.セキュリティの問題を軽減する

 多くの企業では、ビッグデータに対する安全なアクセスは、まだ未解決の問題だ。これは、ビッグデータに関するセキュリティポリシーが、従来の基幹システムに属するデータほど明確に定義されていないためだ。IT部門はエンドユーザーとともに、誰にどのレベルのビッグデータとそれに対応する分析結果に対するアクセスを許すかという問題に取り組むべき時期に来ている。

4.重要なITスキル分野の人材不足を解決する

 ビッグデータデータベース管理、サーバ管理、ソフトウェア開発、ビジネス分析スキルといったスキルを持った人材は不足している。これらのスキルが必要になるため、今でさえ人材が不足しがちなIT部門にとっては、さらなる負担になる。

5.従来の基幹システムの重要性を下げる

 従来の基幹システムは、ビッグデータが重要になるに伴い、ますます価値が高まる。これらの基幹システムは、ビッグデータを分析して重要なビジネス上の課題に答えるために必要な、重要な手がかりを与えてくれることが多い。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

自社にとって最大のセキュリティ脅威は何ですか

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]