最新のIT技術や次世代ネットワークはあくまで質の高いサービスの裏側に存在し、これを支えているだけです。ここを履き違えないで下さい。つまり、クラウドコンピューティングを経営者が理解しようとするときに、クラウドコンピューティングを実現するための技術であるグリッドや仮想化といった技術を理解しても仕方ないのです。まず、クラウドコンピューティングの全体像を理解し、あとは革新的なサービスが出現するのを待つというのが今とるべき姿勢でしょう。提供されるサービス以外は黒子―サービスを享受される皆さんが考えるのではなく、サービスを提供する側が考えるべきところなのです。提供されるサービスの内容や質に注目しながらメディアの情報を見ていただければ、不必要な情報は何かわかるはずです。
最近のITトレンドを牽引している企業のサービスにはある共通項があります。それは、どの企業も強いサービスを持っていると同時に、サービスを支える自社のインフラの強みを、外部の面白いアイデア(サービス)を取り込む仕組みとして活かしているということです。
Googleの"App Engine"、Appleの"App Store"、アマゾンの"EC2"、SalesForce.comの"AppExchange"といった、そうそうたるサービスを持った企業が外部サービスを提供するプラットフォームとしての機能も提供しているのです。狙いはただ一つ、次世代を牽引するサービスの青田買いなのです。つまり、彼ら自身、クラウドの可能性をはっきりとは把握できず、外部のアイディアを使ってマネタイズしようとしているのです。
エリック松永(Eric Matsunaga)
Berklee College of Music、青山学院大学大学院国際政治経済学研究科(修士)卒業。19世紀の米国二大発明家Graham Bellを起源に持つ米国最大の通信会社AT&Tにて、先進的なネットワークコンサルティングの領域を開拓。その後アクセンチュアにて、通信分野を柱に、エンターテインメントと通信を活用した新事業のコンサルティングをグローバルレベルで展開する。現在、通信業界を対象にした経営コンサルタントとして活躍中。
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