各界のエグゼクティブに価値創造のヒントを聞く連載「ZDNet Japan トップインタビュー」。今回は、SaaS型キャンペーンマネジメントソリューションを提供するフランス企業ProbanceのCEO、Emmnanuel Duhesme(エマニュエル・ドゥエム)氏に話を聞く。バズワードとして挙げられることも多いキーワード、ビッグデータをやや冷ややかに眺めながらも、今後の大きな可能性を感じているという。
日本ではサンブリッジが提供するProbanceのSaaS型キャンペーンマネジメントソリューション「Probance Hyper Marketing」。SaaS型で、ビッグデータで大きな注目を集めるデータマイニングと現在のトレンドを体現したサービスだが、フランス企業ProbanceのCEOであるEmmnanuel Duhesme氏は冷静な見方を示す。
「長い間、データマイニングに携わってきた経験から感じていることだが、昨今、ブームになっているほど、ビッグデータというのは簡単なものではない。バブリーに夢見ている人も多いのではないか」
フランス企業ProbanceのCEO、Emmnanuel Duhesme氏
企業と顧客の関係をより良くつなげるツールを提供
長い間、データマイニングに取り組んできた同氏にとって現在のビッグデータブームはどう見えるのか。データマイニングのノウハウを生かした同社のサービスとはどんなものなのかを聞いた。
――Probanceの提供するサービス「Probance Hyper Marketing」について教えてください。マーケティングに活用するツールと聞いています。
Probance Hyper Marketingは、数学、統計のアルゴリズムを組み込み、データを有効活用するためのツールです。マーケティングデータマートの構築、顧客分析から、キャンペーン対象のターゲティング、ビジネスシナリオの設計、スケジューリング、レスポンスの収集、効果検証といった一連の業務をブラウザから実行できます。最も多く使われている分野はマーケティング分野、特にネットショッピングなどのダイレクトマーケティングで大きな力を発揮します。
ダイレクトマーケティングのためのツールには色々ありますが、当社の製品の特徴はサイトを訪れた顧客の行動から分析を行っている点にあります。どこをクリックしたのか、一度カートに入れた商品を買わずに戻しているが、それはなぜなのかといったことをサイトでの行動から解析するのです。
――データマイニングというと、専門的な知識を持った人が行うものという印象がありますが、利用するためには専門知識を勉強する必要があるのでしょうか?
ECサイトを運営する企業のほとんどが、専門のデータマイニングスタッフを持っていません。IT専任担当者がいない企業も多いと思います。企業規模もそれほど大きくなくて、予算がそれほど潤沢ではないという企業も多いでしょう。
そこで当社では、専門知識を持たないスタッフでも利用できて、低コストで導入できるシステムを開発しました。当社の製品にとってデータマイニングは自動車のエンジンのようなものです。利用する人が専門知識を持たなくても利用できるようにしました。
ITの専任担当者がいなくても利用できるようにするために、ブラウザ経由で利用できるSaaS型サービスとして提供しています。これならITの専任担当者がいない企業でも使うことができます。しかも契約形態を月単位にしました。試しに利用したいのであれば、1か月使ってみればいいのです。SaaS形式ですから、導入前に新たに機器を導入する必要もありません。この気軽に使って頂ける方式が当社の製品のもう一つの特長になっています。
価格体系も分かりやすいものとしました。データベースに置かれている利用者の数でコストが決まる形式です。これを月額で支払ってもらいます。「請求書が来るまで、料金が分からない」といった不安を解消できます。