今週の明言

トレンドマイクロが挑む次なるステージ

松岡功

2014-04-18 12:58

 本連載「松岡功の『今週の明言』」では毎週、ICT業界のキーパーソンたちが記者会見やイベントなどで明言した言葉をいくつか取り上げ、その意味や背景などを解説している。

 今回は、トレンドマイクロのEva Chen 代表取締役社長兼CEOと、日本HPの宮本義敬 HPサーバー製品統括本部プロダクトマーケティング本部 本部長の発言を紹介する。

「新たなソリューション展開によって、創業以来のビジョンを実現したい」
(トレンドマイクロ Eva Chen 代表取締役社長兼CEO)


トレンドマイクロ 代表取締役社長兼CEO Eva Chen氏

 トレンドマイクロが先ごろ、2014年の企業向け事業戦略について記者会見を開いた。この会見で同社は、新たなセキュリティの脅威として広がりつつある標的型攻撃に対処するためのソリューションフレームワークを発表。Eva Chen(エバ・チェン)氏の冒頭の発言はその会見で、それに基づいた新たなソリューション展開への意気込みを示したものである。

 会見内容の詳細については関連記事を参照いただくとして、ここでは同社が新たに打ち出したソリューションフレームワーク「スマートプロテクションプラットフォーム」に焦点を当てたい。

 スマートプロテクションプラットフォームは、検知や分析、対処、保護の脅威防御ライフサイクル全体にわたり、同社の製品やサービスを組み合わせ、企業の情報資産を効果的に守るためのソリューションフレームワークである。

 Chen氏によると、「特に最近の標的型攻撃では、不特定の複数の通信ポートやプロトコルが用いられ、それだけでは不正と判断できない攻撃が多く、かつ時間とともに攻撃の様相が変化していく。これらに対応するためには防御技術もダイナミックにアップデートさせていく“Next Generation Threat Defence”のアプローチが求められている」と言う。

 続けて同氏は、「当社は長年、セキュリティ専業ベンダーとして培った脅威防御のノウハウを用いて、攻撃者の行動および技術の解析に基づいた“Threat Defence”のアプローチを続けてきた。しかし、企業を取り巻く環境が急速に変化する中、最新の脅威に対応するにはThreat Defenceのアプローチを進化させ、ユーザーの行動や心理、置かれている状況を基に適切な情報やソリューションを提供するNext Generation Threat Defenceのアプローチが求められている」と説明した。

 そこで同社は、顧客の置かれた環境や各脅威イベントの相関関係やログを分析し、動的な脅威防御を実現するNext Generation Threat Defenceのアプローチにより、新しい標的型攻撃や侵入を検知して即座に対抗する新たなソリューション展開を図ることにしたのである。

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