セールスフォース・ドットコムは7月18日、オンデマンドサービスの「Salesforce Summer '07」を発表した。Summer '07では、1月よりプレビュー版として開発者に公開していた「Apexコード」を正式にリリースし、Salesforce Unlimited Editionのユーザーに無料で提供する。
Apexコードは、2006年10月に開催された同社の年次イベント「Dreamforce '06」にて発表したもの。Javaに似た言語で、Salesforceの環境で動作するアプリケーションを開発できる。「各アプリケーションのコードは完全に隔離されている。また、各社のコードは完全にマルチテナントで、アップグレードも自動化されている」と、セールスフォース・ドットコム 製品統括本部本部長の内田仁史氏は説明する。
PaaSについて語るセールスフォース・ドットコムの宇陀社長Apexコードを使うことで、ユーザーはSalesforceのプラットフォーム上で、Salesforceのメイン機能となるCRM以外のアプリケーションも開発できるようになる。セールスフォースでは2006年よりこうしたプラットフォーム戦略を進めているが、セールスフォース・ドットコム 代表取締役社長の宇陀栄次氏は「Summer '07はプラットフォーム戦略を本格的に展開するための第一歩となる」としている。
「わが社のビジネスは、SaaS(Software as a Service)からはじまり、この分野でリーダーとなった。これからはPaaS(Platform as a Service)を積極的に進めていく。PaaSには、従来の10倍から100倍ものビジネスチャンスがある」(宇陀氏)
Apex以外のSummer '07の特長としては、Sandboxが拡張されたことがある。Salesforceでは、Winter '06より「Salesforce Sandbox」として、ユーザーが自社のSalesforceの環境をコピーできる機能を提供してきたが、複数の環境にコピーしたいとのユーザーの希望に応え、Summer '07からは複数のSandboxが展開できるようになった。この機能により、ユーザーはテスト環境や開発用、トレーニング用といったように、稼働中のアプリケーション環境に影響を与えることなく別の環境を利用できるようになる。
また、Summer '07では、「Enterprise Intelligent Workflow」機能が提供される。この機能は、設定した条件により業務プロセスを自動化するもので、例えば商談フェーズが完了すれば基幹システムの受注処理を実行するといったことや、イベントキャンペーンが作成されれば担当者にTo Doリストを発行するといったことができる。Summer '07ではこの機能が強化され、ワークフローに数式条件が追加できるようになった。これにより、複雑なケース割り当てルールから高度な価格割引承認まで、ビジネスニーズに合わせてワークフローを細かくカスタマイズできる。
Summer '07ではさらに、ポータルソリューションも拡張した。これまで代理店やパートナーに向けて提供していたパートナーポータルに商談作成機能などが追加されたほか、ユーザーが自社ブランドに合わせてポータル環境をカスタマイズできる機能などが備わった「Salesforceカスタマーポータル」を提供する。
Summer '07は、8月より提供開始する。機能が強化されても、サービス料金そのものに変わりはなく、これまで通り1ユーザーにつき月額7875円(税込み、Professional Edition)から。カスタマーポータルは1ユーザーにつき月額630円(税込み)からとなる。
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