セールスフォース・ドットコム(セールスフォース)は6月2日、公益財団法人日本棋院(日本棋院)が、同社のクラウドサービスを導入したと発表した。
日本棋院では、会員への提供サービス、発行免状情報、問い合わせ履歴情報などを一元管理するため、これまで独自システムを3世代にわたり開発してきたという。しかし運用コストや、情報量増加に伴う膨大な改修費用の課題を抱えていた。今回、4度目のシステム改変時期に合わせ、サーバなどハードウェアの所有が不要で、インターネットを介してITが利用できるセールスフォースのクラウドサービスへの切り替えをおこなったという。
導入決定にあたっては、コスト面に加え、個人情報を扱う上でのセキュリティ面、ニーズに合わせて機能を柔軟に変更できる拡張性などが評価されたという。稼働は2010年4月より開始しており、合わせて、定期購読誌や会員証の発送に、配送事業者向けのポータルサイトを導入することで、配達情報、状況などを共有して効率化するともに、ミスや漏れを防ぐ業務刷新も行ったとしている。
日本棋院ではクラウド導入後、会員情報や約40万件の発行免状情報などを管理しながら、サービスを徐々に拡充。現在では、会員登録フォームから情報を直接取り込める機能や、キャンペーン機能などを使った会員へのダイレクトメールや、見込み会員向けのイベント情報提供などを実現し、サービス向上と将来のファン育成に努めているという。
今後は、会員登録の決済システムや対局システムとも連携させ、有償で楽しめる対局や会話、指導や同好会などのサービスをスムーズに利用できるよう環境を整備していくという。