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Rubyがもたらす地域の進化

2007/10/09 12:00

 情報通信網の発達で、都会と地方の距離はなくなって東京への一極集中の弊害は解消に向かう、とよく喧伝されたものだ。だが実際には都会と地方のビジネス上の格差は開く一方だった。ITを活用することでこの流れは逆転し、地方は本当に元気になるのだろうか。

 安倍前首相は、2007年1月の国会で、魅力ある地方・自立する地方を創る施策として、「頑張る地方応援プログラム」の実施を発表、本年度から3000億円程度を3年間支援する。第1次募集を今年4〜5月に実施し、都道府県と市町村合わせて1181自治体から3714件の応募があったという。茨城県古河市の「地域経営改革プロジェクト」は、業務の見直し、職員の意識改革とレベルアップ、IT時代への対応などを主要な柱としている。また、佐賀県伊万里市の「NPM(新公共経営)システム構築事業」では、民間企業の経営理念と手法を適用してマネジメント能力を高め、ITを利用して効率化・活性化を図るとしている。

 一方で同プログラムに応募した自治体の施策の中にも新しい動きが生まれている。 日本経済新聞社が9月17日に発表した「日経地域情報化大賞2007」では、94件の応募の中から、島根県松江市の「Ruby City MATSUEプロジェクト」が大賞を受賞した。同プロジェクトは、松江市による「頑張る地方応援プログラム」応募の具体的施策の一部にもなっているが、同市在住のまつもとゆきひろ氏が開発したオープンソースのプログラミング言語「Ruby」を核に、産官学の交流の場として「松江オープンソースラボ」を開設し、産官学による「しまねOSS協議会」がイベント開催や海外視察を通じて世界に向けて情報発信を行っている。また、特徴的なのは日経MJ(流通新聞)賞に人口500人の和歌山県北山村のブログポータル「村ブロ」が選ばれ、登録者数が6200人と地元以外の人が多数派として参加している。さらに、CANフォーラム賞を浜松地域ブログポータル「はまぞう」が受賞し、月間閲覧数が1200万ページビューにも達している。これら3つの受賞団体は、「地域完結型」の壁を越えて外の世界とネットワークを結び、個の連携による参加型のコミュニティーを形成している。まさにWeb2.0の波がここにも及んでいる格好だ。

<IT処方箋>

 ITを利用して行政サービスを効率的に管理することで地域住民にとっては便利なサービスが増えていくだろう。しかし本当に必要なものは、地域の特徴を活かしながら新しいものを生み出すこと。一極集中から脱皮し地方が本当に元気になるためには、外の世界に開かれた、自主的な個の連携が欠かせない。地方が発信源となって参加者主導による何かを新たに「生み出す力」は、大きな可能性を秘めている。ITによる地域活性化のカギはここにあるのだろう。


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