IT業界が今最も注目するトレンドは何か、米ガートナー社が10月9日に発表した2008年の「戦略的技術・トレンド」トップ10の1位は「グリーンIT」(地球に優しいIT)だった。なぜ今これほど「グリーンIT」が叫ばれるのか。
米国のIT業界は、データセンターの省エネ化に取り組むため2月に非営利団体、「グリーン・グリッド」を設立し、日本からも伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)が参加するなどその動きに注目が集まっている。このグリーン・グリッドの試算によると、2015年にはデータセンターのサーバ運用のエネルギーコストがサーバの購入コストを上回ってしまう。急増するデータセンターの電力消費対策が危急の課題となっているのだ。
日本政府も本腰を入れてグリーンITに取り組み始めた。経済産業省は、2008年度の予算要求で新しい政策「グリーンITプロジェクト」を盛り込み、産官の連携により、省エネ技術開発を進める。民間では日立製作所が9月27日、データセンターの消費電力を5年間で50%削減する「クールセンター50」プロジェクトを発表している。
もはや官民挙げて「省エネ対策待ったなし」の状況だが、ITによる効率化を上回る速度で紙の使用量とエネルギーの消費量が増加しているのは皮肉なことだ。
オープンソースで定評のある米国のサン・マイクロシステムズは9月24日、SNS機能をモデルに新たにポータルサイトOpenEco.orgを立ち上げた。大小を問わず企業・政府機関・NGO全てに参加を呼びかけ、温室効果ガス削減を簡単に計算して見える化し、比較できるツールを提供して、CO2削減策の情報公開と共有を呼びかけている。Web2.0に見られるネットワークによる英知の結集と利用者参加型モデルによる意識改革が果たす役割は大いに期待できる。
「グリーンIT」をお題目に終わらせないためには、省エネをする側の企業が本気になるビジネスモデルが必要だ。地球環境対策と収益増大を両立させるIT革新が、企業価値を向上させていく。ITベンダーにとって、グリーンITを単なる省エネコストダウンの提案とせずに、効率化と収益に加えITによるグリーン化を顧客価値として提供する視点が必要になってくるだろう。
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