~ 高度なデータ重複除外技術を通じて16時間以上かかっていたバックアップ作業を40分以下にまで短縮 ~
■データ量の急増に耐えられないテープ ストレージによるバックアップ体制■
社会福祉法人 恩賜財団 済生会熊本病院(以下、熊本病院)は、熊本県熊本市に拠点を置き、病気の初期治療や重症患者の全身管理を行なう急性期治療に特化した病院である。従来の内科や外科といった区分ではなく、消化器、呼吸器など、臓器別に診療体制を整備しているのが特徴だ。また、ガンマナイフ、MRI、CT、核医学装置など、最先端の医療機器も配備され、より専門的で質の高い医療を提供している。2010年5月には、熊本赤十字病院、国立病院機構熊本医療センターに続く県内3カ所目となる救命救急センターを設置し、県民の安心・安全の確保に向けて救命救急医療体制のさらなる充実が期待されている。
近年、医療業務の電子化が急速に進んでいるが、それに伴ってサーバの台数も増加の一途をたどっている。熊本病院は、2009年からVMware vSphere 4とEMCの高性能ストレージ(EMC CLARiX CX4シリーズ)を組み合わせたサーバ仮想環境によって物理サーバの集約を進めているが、その上で動作する仮想サーバの数は依然として増加を続けている。例えば、2011年10月から稼働を開始した最新の医療情報システムは、数多くの仮想サーバから構成される。
このような中で浮上したのが、多数のサーバ群に対するデータ・バックアップの問題である。従来は、専用のバックアップ・サーバにテープ・ストレージを接続し、バックアップ・ソフトウェア経由でサーバ群のバックアップ作業を行っていた。短時間の停止しか許されないサーバも多いことから、ここではディスク・ストレージのフラッシュコピー技術によって元データの複製を短時間で作成し、この複製データからテープ・ストレージに対してバックアップを行うD2D2T(Disk to Disk to Tape)方式を採用していた。
しかし、サーバ台数の増加と各サーバが取り扱うデータ量の増大によって、データバックアップの所要時間が翌日の業務に支障を来すほどに膨れあがってしまった。近年では、CTやMRIなどの医用画像診断装置(モダリティ)に関連するシステムも増え、大容量の医用画像データを取り扱う必要性に迫られている。これらのシステムではテラバイト級のデータを保管する関係で、データ量の増加をさらに加速させている。
医療支援部 医療情報システム室 主任の野口忠祥氏は、当時の様子を「多くのシステムは、夜中の3時にバックアップジョブを開始していますが、データ量の増大によってバックアップが終了するのは翌日の19時~20時ぐらいになっていました。バックアップ・スケジュールをきめ細かく調整するなどして対処してきましたが、さすがにもう限界に達していたのです」と振り返る。
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