米ソフトウェア業界におけるリーン開発の第一人者で、アジャイル開発分野のリーダー的存在としても知られる米3Mのメアリー・ポッペンディーク氏は、「Agile Japan 2009」の講演の中で「許可を求めるな、謝罪せよ」という3Mの社是を引用しました。
3Mの社是は、さらに続きます。
"It is easier to ask forgiveness than permission. With a sincere attitude toward one’s work, the chances of doing real damage or harm are small. Consequences from bad calls, in the long run, do not outweigh the time waiting to get everyone’s blessing."
『許可を求めることより許しを乞う(謝罪する)方が簡単である。ひたむきに仕事をすれば、深刻なダメージや危険にあう可能性は低い。間違った決定による時間が、長期的にみて、みんなの許可を得るために待つ時間を上回ることはない)』
出典:A Century of iNNOVATION - The 3M Story(PDF)
これは、いまの日本のコンプライアンス重視に名を借りた「許可を求める文化」の対極にあるチャレンジ精神です。そしてこのチャレンジ精神こそが、イノベーションをもたらすマインドとして非常に重要なものなのです。
インターネットは、許可なんか求めていないクレージーな人たちによって作られてきました。それによって社会にイノベーションが起こったのです。もし彼らが許可を求めていたら何も起こらなかったでしょう。そんな社会を我々は求めているのでしょうか。
もちろん法律違反を勧めているわけではありません。最低限の守るべきルールはありますが、自分で考えて自分で行動することが重要だということです。もちろん、誰かに指示されるより自分で考えるほうが大変ですし、責任も伴います。しかし、それこそがハッカー精神でもあるのです。
これをもっと日本に根付かせなければなりません。その第一歩となるのが、オープンソースであり、それを生み出すハッカーマインドを理解し受け入れていくための企業文化の変化であるのだと思います。それが出来れば、山のように潜在する優秀なエンジニアによって、新たなイノベーションが生まれるはずです。
すくなくともインターネットは、ハッカーマインドをもった会社によって成長してきました。そして今の経済は、インターネットの成長によって支えられているといってもいいでしょう。それが、すべて米国企業に抑えられているということはあまり健全ではありません。20年間、日本が低成長に甘んじてきた背景には、つねに言い訳を探し、ハッカーマインドが不足していたからではないかと考えています。
これからのグローバルな時代に日本の企業は、もっとインターネットの成長に関与することが必要なのです。そのために重要な要素となるのがハッカーマインドであり、それを持つ企業でなければ世界に太刀打ち出来ないと思います。日本の企業が、それに目覚め、そこに舵をとらなければ、日本の経済成長もないのではないでしょうか。
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