(第3回)情報をビジネスの“力”に変える魔法の箱IBM WebSphere DataPower

日本IBMは5月19日、「危機に勝つ!〜見えてきたSmart SOA導入パターン」と題したカンファレンス「IBM IMPACT 2009」を都内ホテルで開催。混迷を極める現在の経済状況において、既存のIT資産を有効に活用しながら変化に柔軟に対応し、イノベーションを推進できるSOA実現の具体的なアプローチを紹介した。

ESB製品の導入でIT投資の無駄を削減

 IBM IMPACT 2009、午後のセッションに登場した日本アイ・ビー・エム(日本IBM)のソフトウェア事業 WebSphere事業部 WebSphere第二営業部 部長、山田桂子氏は、「ESBで実現するITメンテナンスコストのムダ取り」と題した講演で、IT投資の70%以上といわれているメンテナンスコストを削減し、より戦略的なIT投資を実現するためのESB活用術について、事例を交えて紹介した。

日本アイ・ビー・エム ソフトウェア事業 WebSphere事業部 WebSphere第二営業部 部長 山田桂子氏 日本アイ・ビー・エム ソフトウェア事業
WebSphere事業部 WebSphere第二営業部 部長 山田桂子氏

 「現在、ビジネスを取り巻く環境はドラスティックに変化しています。IBMが2008年にグローバルで実施した“CEOスタディ”と呼ばれる調査では、98%のCEOがビジネスモデルの変革が必要としています。しかしながら現実には多くの企業でビジネスモデルの変革には着手しておらず、理想と現実との差は2年前の調査に比べ3倍に拡大しています」と山田氏は言う。

 「特に、部門最適化で導入されスパゲティ状態になったIT環境はさらに複雑化の一途をたどっています。ある調査では、IT予算の76%はメンテナンスに利用されており、新規事業に対する投資は24%に過ぎないと発表されています。しかし、既存のIT資産をすべて捨て、新しく作り直すのは現実的ではありません。そこで既存のIT資産を有効活用しながら変化に強いシステムを構築することが必要になります」

 さらに現在のIT投資では、コストの削減はもちろん、市場における競争力の強化を伴い、投資利益率(ROI)も向上させていくことが望まれている。こうした企業が抱える数多くの課題を解決するためのソリューションとして日本IBMが提案するのがESBを活用したSOAによるシステム連携であり、すでに多くの企業で採用された実績がある。

 たとえば、規制緩和による競争の激化やパラダイムシフトにより変化が必要だった米国の電力供給会社では、25年前に構築された顧客情報・請求システムがビジネス上の新しい要求に応えられないという状況に陥っていた。また、電力使用量を自社で把握することができず、パートナー企業に依存しなければならないという課題も抱えていた。

 そこで同社は、SAP R/3とCRMシステムの連携用ミドルウェアとしてIBM WebSphere製品群を採用。従来、ポイント・ツー・ポイントで連携されていたインターフェースを削減したほか、BPMを活用することで例外対応プロセスの自動化を実現。データの一貫性と正確さを確保した。

 これによりこの電力供給会社では、インターフェースのメンテナンスコストを70%削減できたほか、請求書を作成している15名の担当者をより付加価値の高い業務に再配置することを可能にした。また、トランザクションのQoSとデータの一貫性を保証し、インターフェースの開発期間をこれまでの60%に短縮できる開発体制も確立している。

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「ESB(日本アイ・ビー・エム)」 のバックナンバー

http://japan.zdnet.com/extra/ibm_200904/story/0,3800096242,20391144,00.htm
(第3回)情報をビジネスの“力”に変える魔法の箱IBM WebSphere DataPower
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