日本IBMのサポート・サービス技術員の頂上決戦。「T1グランプリ」にみる、サポート・サービスの今後

日本IBMでは、自社のサポート・サービス技術員を対象とし「T1グランプリ」という社内競技会を毎年開催している。その狙いは、個々の技術員のさまざまなスキルを向上させ、顧客に対するサービス品質を高めることにある。「T1グランプリ」の様子をレポートするとともに、「IBMテクニカル・サポート・サービス」が描いているこれからのサポートの姿を紹介する。

マルチベンダー環境に対応するIBMテクニカル・サポート・サービス

 日本IBMの「IBMテクニカル・サポート・サービス」(以下、TSS)部門は、日本全国に高度な訓練を受けた技術員を配置するとともに、リモートでのテクニカル・サポート・スペシャリストも加わり、顧客のシステムの安定稼動を支援している。IBM製品はもちろんのこと、IBM以外の製品やサービスも対象としたマルチベンダー環境に対応しているのが大きな特徴であり、24時間365日グローバルで利用することができる。

 TSSに属する技術員は、新しい技術の習得をはじめとしたサービス品質の向上に日々務めているが、その成果を競う場となっているのが、「T1グランプリ」という社内競技会だ。実際に現場でお客様を担当する日本全国の技術員のうち、今年は東日本第一地区技術(北海道・東北)、東日本第二地区技術(関東、北信越)、西日本地区技術(名古屋以西)の各地区で予選を戦い抜いた34名の精鋭が、10月14日・15日の両日、日本IBM幕張事業所で開催された「T1グランプリ本選大会」に参加、その模様を取材した。


「T1 グランプリ」の開会式

T1グランプリにみるこれからのテクニカル・サポート

 今年で6回目を数えるT1グランプリの背景について、日本IBM GTS事業本部 TSS事業統括 執行役員 渡邉宗行氏は次のように語る。


「お客様に論理的に説明できるコミュニケーション能力が重要」と語る渡邉氏

 「以前は、IT機器に障害があった場合に迅速に修理するという“技能そのもの”が保守サービスの大きな役割であった時代もありました。しかし今日では、IT機器の修理の技術的スキルだけではお客様は満足されません。“お客様のIT環境の障害を回復して安心・安全を届ける”というTSS本来の使命に則ると、従来の“技能”だけではなく、もっと広い意味での知識やお客様への説明・報告といった能力もバランスよく身に付ける必要があります。IBM製品以外の製品知識、ネットワークの知識、お客様への説明能力など、さまざまな知識や能力も求められます。そこで、それらを身に付けることのモチベーションを高めるために、2000年まで開催されていた技術スキルにフォーカスした『技能オリンピック』という社内競技会を発展させて、6年前から『T1グランプリ』という名称で復活させました」

 中でも渡邉氏が重要だと指摘するのが、顧客への説明・報告といったコミュニケーション能力だ。

 「今日のIT環境はますます複雑化をきわめています。トラブルが発生した際、お客様はどこでトラブルが発生し、何が原因なのかをすぐに知りたいはずです。そのため現場の技術員には、単に技術の面で障害を解決するだけではなく、その場でお客様に対して論理的で説得力のある報告ができる能力が求められます。TSSではそうしたコミュニケーション・スキルを重要視しており、T1グランプリの試験項目にも取り入れています。T1グランプリに参加し、技術スキルのみならずコミュニケーション・スキルを切磋琢磨することが、お客様へのサービス向上につながると考えています」

 「このT1グランプリでは、「殿堂入り」を果たしたハイスキルな技術員が、いま現場でお客様をサポートしている若手の技術員のさまざまなスキルを客観的に審査します。IBMでは、長年培った技術員のいろいろな経験と知見を、若い世代に継承していくことにも力をいれています。」

 また渡邉氏は、IBMが提唱する次世代ITインフラのコンセプト「エンタープライズ・ハイブリッド IT」とも、T1グランプリは深い関係があると話す。

 「今回のT1グランプリは、TSSのサービスのいわば原点ともいえる24時間/365日のミッション・クリティカル・システムをサポートする『IBM z Systems』のほか、『ネットワーク』『マルチベンダー』の3つの部門を設けています。『ネットワーク』『マルチベンダー』という部門を設けたのは、近年のIT環境が単一ベンダーの製品だけで構成されることがほとんどなく、IBM製品に加え他社製品やパブリック・クラウドなどを利用する混在環境になっていることを反映してのことです。それをつなぐ『ネットワーク』も非常に重要な役割です。もはやこれらIT環境のすべてをお客様だけで管理するのは容易ではなく、安定稼動のためにはTSSのようなサポート・パートナーが必要な時代と言えるでしょう。わたしたちは、そうしたマルチベンダー環境、エンタープライズ・ハイブリッド ITに対応するサポートを実現するための体制を整えています」

今年のテーマは、「IBM z Systems」「ネットワーク」「マルチベンダー」

提供:日本アイ・ビー・エム株式会社
[PR]企画・制作 朝日インタラクティブ株式会社 営業部  掲載内容有効期限:2016年1月31日
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