「Decision Server Insights」が実現する “臨機応変”なビジネス判断と施策遂行の オートメーション

「個客」の「いま取った行動」や「いまの状況」に応じて、提供する情報/サービスをリアルタイムに出し分け、商品の「アップセル」や「クロスセル」、あるいはリスク・マネジメントに役立てていく――。モバイルデバイスの爆発的な普及を背景に、多くの企業が、こうしたアプローチを競争力強化の源泉にしようと動き始めている。そうした中で、実に興味深いシステムが、「IBM Operational Decision Manager(以下、IBM ODM)」シリーズに加わった。IBM ODM Advanced エディションで提供される「Decision Server Insights」と呼ばれる仕組みがそれだ。以下、その概要について解説したい。

「なすべきこと」を自動で判断、自動で遂行

 周知のとおり、顧客の「行動」や「状況」、あるいは「嗜好」といった「コンテキスト」は、常にダイナミックに変化する。「個客中心」のビジネス/サービス展開が重要度を増すなか、そうした「コンテキスト」の変化をリアルタイムにとらえながら、適切な「情報」、あるいは「サービス」を、適切な「タイミング」で提供することが、競争優位を確保するうえでの大きなポイントなっている。

 IBMが提供している「IBM ODM Advanced - Decision Server Insights」(以下、Decision Server Insights)は、そうしたビジネス課題を解決しうる仕組みだ。この仕組みを用いることで、顧客ごとのコンテキストの変化をリアルタイムにとらえ、どのタイミングで、どの情報/サービスを提供するかの判断(意思決定)と、施策の遂行を自動化することが可能になる。要するに、「個客の状況」に応じて、「成すべきこと」をリアルタイムに判断し、遂行するインテリジェントなシステムが作れるのである。

 ならば、Decision Server Insightsで具体的にどんなことが可能になるのか──。まずは仮想の事例に基づいて、その解を示すことにしよう。

顧客がラスベガス出張。そのときDecision Server Insightsは……

 顧客満足度の向上とクレジッドカードの不正利用防止のために、Decision Server Insightsをベースにしたシステムを活用しているカード会社があるとしよう。そして、このカード会社の会員の一人に、ある日本のメーカーの営業部長がいるとする。

[ シチュエーションA ]

 ある日、彼はラスベガスに出張することとなり、アメリカ滞在中はほとんどの買い物をこのカード会社のカードで済まそうとしていた。

 マッカラン国際空港に降り立った彼は、早速、スマートフォンの機内モードを解除する。すると、カード会社からメッセージが届き、そこには、2日後にラスベガス市内で行われるコンサートの案内が記されていた。出演するアーチストは、彼の大好きなハードロックのバンド「Z」。彼は、予期せぬ"オプションプラン"の提示に喜び、「Z」のコンサートチケットを購入する。

 ここでなぜ、このカード会社は絶妙のタイミングで、彼が好むアーチストのコンサートを勧めることができたのだろうか。それは、Decision Server Insightsで作ったシステムが、次の5つの理由で、「そうすることが適切」と判断したからだ。

  1. 米国ネバダ州に彼が到着した
  2. ハードロックバンド「Z」のコンサートが2日後に開催される
  3. 過去、彼は他のハードロックバンドのコンサートチケットをこのカードで買っていた
  4. 彼のプロファイルからハードロックが好きな可能性が高いと分析
  5. 彼はこのコンサートの案内をまだ受け取っていない

[ シチュエーションB ]

 さて、ホテルへと移動した彼は、人生で初めてのカジノを楽しもうと思い立ち、このカードを使いATMで1,000ドルをキャッシングする。すると程なく、「不正な取引の可能性があります。30分以内に連絡をください。連絡がない場合はクレジットカードを無効化します」というアラート・メッセージがスマートフォンに届く。理由は、「1,000ドル」という額が、彼の過去の平均的な引き出し額よりもはるかに多額だったからだ。もちろんカード会社に事情を説明することで、クレジットカードは引き続き問題なく利用することができた。

[ シチュエーションC ]

 その同じ晩に、彼はもう一度カード会社からのアラート・メッセージを受け取る。そこには、また不正取引の可能性があるとする内容が記されていた。再びカード会社へ電話をかけて事情を尋ねると、少し前にサンフランシスコ市内のATMから40ドルが引き出されているということだ。身に覚えがない彼は、この取引を無効としてもらった。

 このケースで不正取引を素早く検知できたのは、ラスベガスとサンフランシスコの移動可能時間よりも短い間隔でキャッシングが行われたことを、Decision Server Insightsのシステムが"不正取引の可能性が高い"と判断したからであった。


※クリックすると拡大画像が見られます

ポイントはリアルタイム、アクショナブル、インサイト

 上述したカード会社のサービスは、まさに「個客中心」、あるいは「個客行動起点」の意思決定と施策遂行によって実現されたものである。その特性は以下の3点に集約できる。

  1. リアルタイム:何らかのイベントが発生した時点でのリアルタイムな意思決定
  2. アクショナブル:リアルタイムに取り込んだデータに基づき、何らかのアクションを迅速に起こす
  3. インサイト(コンテキスト):過去のイベントと現在の状態(ステータス)との比較分析から、これから起こりそうなことを掘り下げる

 Decision Server Insightsを用いることで、これら3つの特性を備えた意思決定とアクションのループを作り出すことができる。具体的には、さまざまな情報ソースから「対象(この事例で言えば"彼")」のイベントを「センス(知覚)」し、「コンテキスト(状況)」を組み立て、これから起こりそうなことを掘り下げたうえで、「何をなすべきか」を決定し、実際の「アクション」に即座に、そして継続的に結び付けていくことが可能になるのである(下図参照)。

リアルタイム、アクショナブル、インサイトを作り出すループ

ビジネスルール管理との差異

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