これまでパブリック・クラウドは、「小さく・速く始める」タイプのシナリオに適したIT基盤として成長してきた。だが、最近では新規の業務システムをIaaS/PaaSで構築したり、基幹システムをパブリック・クラウドに移行する企業も増えてきている。この適用分野の拡大に伴い、クラウドベンダーの選定が複雑化しているのも事実だ。
理想を言えば、より柔軟で、安全で、基幹業務でも耐えうる高い品質を持ち、リーズナブルな価格のサービスを利用したいというのが本音だが、性能比較やスペック比較などの比較表を作成しても、それだけでは評価をすることは難しい。この検討段階の難しさは、IaaS/PaaS環境の利用を検討する企業の多くが直面する最大の悩みの一つと言える。
そうした中、注目したいのが最近SAPとの提携を発表したIBMのSoftLayerだ。SAPソリューションをIBMとSAPが共同で提供し、その稼働をSAPが認定するというもの。今後、基幹系や情報系システムなど利用を検討している企業にとって、SoftLayerは、かなり有力な選択肢となりうるだろう。
そこで今回は、SoftLayerがどれほどのものかを冷静な目で判断するために、パブリック・クラウド・エバンジェリストとして豊富なコンサルティング経験を持つ吉田パクえ氏に、SoftLayerを実際に使用して評価してもらった。吉田氏によるレポートでは、公開情報と実使用から得られた情報を元に、サービス品質を高めるためにデータセンターで行われている工夫や、サーバーやストレージのサービス・メニュー、典型的なWebシステムを構成する場合の手続きとコスト感など、SoftLayerの信頼性、コスト、使い勝手を多角的に評価。一例を挙げると、SoftLayerではOS更新用のミラー・サーバーが設置されており、OSを高速に更新できることが実使用から明らかにされている。
吉田氏のレポートは、SoftLayerに興味を抱いた方はもとより、IaaS/PaaS環境を広く検討したい方にも有益な情報源となるだろう。以下のリンクからダウンロードして、ぜひ活用していただきたい。