近々の課題に対応しつつ、あるべき姿を見据えてカイゼンを進める
PDCAサイクルを回すという活動自体は業務改革のための手段に過ぎない。しかしITセキュリティなどに関しては、手段自体が目的になってしまう悪い例も少なくないと應和氏は言う。「例えば、情報漏洩を防ぐためとして、PCの持ち出しを禁止するだけで対策完了としている企業もあります。本当にこれで問題は解決したと言えるでしょうか」
PCを持ち出させないという対策(Plan)を立て、それを実行(Do)した結果、どうなるか。それまでPCを持ち出して仕事をしていた従業員にとっては、業務効率の低下以外の何ものでもない。現場には、PCを外で使うことなく、かつ業績を上げろという、相反する要求が突きつけられることになる。Plan、Do、の次はCheckだが、確かなCheckを行えている企業は、果たしてどれほどあるのだろうか。
「これでは現場での運用が潰されてしまいます。将来あるべき姿を見据えながら、皆でディスカッションしつつ、できるところからひとつずつやっていく。それこそが大切なのです」(應和氏)
PCを社外で使いたいニーズが現場にあるならば、ディスカッションを繰り返して解決策を模索するのが本来のPDCAだ。例えばPCをデータに保存できないシステムを作り、PCを持ち出してもデータは持ち出さないと、いう環境を整えていけばいい。
NRIのシステムマネジメント事業は、大きく分けてコンサルティング、インテグレーション、アウトソーシングの3本柱。このうち、コンサルティングは顧客企業の中に入り込んで活動しており、「彼らはクライアントのためならば、良い意味で“トコトンまで喧嘩ができる”人たちです」と應和氏は解説する。
「むしろそれが、顧客の期待を上回る仕事となり、結果として信頼に繋がります。ですから、顧客企業側のキーマンと一緒になって社内を回り、それぞれの現場で活発にディスカッションをする、といった活動を積極的に行っています」(應和氏)
具体的な内容のディスカッションを繰り返しながら少しずつ最適化を推し進めていくことで、始めてPDCAサイクルの回転は加速され、継続的なカイゼンへと結びつくのである。そうした業務改革を起こすエンジンとなり、誠心誠意の体当たりでクライアントとディスカッションを繰り返せるのがNRIのコンサルタントなのだ。その際、具体的な成果に直結するためのツールとして挙げられるのが、NRI社内で磨かれ、鍛え上げられてきた「Senju Family」である。