2. 「スパムの振り分け」
メールサービスを開始するにあたり、無料とはいえスパム対策が施されているのは当たり前の時代、サービスプロバイダとして誤検知というのはあってはならないもの。IronPortのスパムフィルタリングの精度の高さはIronPortを採用する上での大きな要因の一つとなった。
「IronPortが独自に展開するSenderBaseネットワークというレピュテーションネットワークは収集している情報が膨大であるがゆえ、精度の高いスパムフィルタリングを実現でき、以前からの@niftyサービスの評判を下げず、同等以上のサービスを無料の「@niftyメール」でも提供できると確信しました。実は、品質の高いサービスをお客様に提供すると共に、内部のリソース消費を削減するという意味でもIronPortは大きく貢献しています」(工藤氏)
無料メールサービスというのは無料ゆえに明確な「解約」が行われず、使われないまま放置されたメールボックスが、いつまでも残ってしまう可能性がある。そこで、「迷惑メールフォルダー」の機能をデフォルトでONにした。こうする事により、スパムを振り分け削除し(短期間保有)、リソース消費を削減する事が可能となった。「精度の高さを保持するためには、情報収集は欠かせないものです。世界のプロバイダ/企業/大学/研究機関をまたがるIronPortの情報収集は我々にはできない部分ですから、高く評価していると共に更なる向上を期待しています」(工藤氏)
また、構築に際し行った、パフォーマンスなどの評価について、工藤氏は次のように語る。
「サービスインの1年ほど前に評価機を借り、2カ月半ほどMTAとしての評価を行いました。まず評価の段階で今後のトラフィックの増大を想定し、IronPort X1000はどこまで耐えられるかというテストを行いました。その結果、IronPortは、かなりの負荷がかかっても問題ないという事がわかり、安心して導入台数を抑える事ができました。なお、スパム対策面の評価に使うサンプル収集に時間がかかったりしましたが、それを除けば評価も導入も、ほとんどスムース進みましたね」(工藤氏)
50億を越える1日あたりの問い合わせ数、125以上のSenderBaseが参照するWebやEmailのパラメータ数を誇り、SenderBaseに提供される統計情報の、全インターネットメールに対する割合は25%に達する。グローバルな情報収集によって正確な格付け情報を提供。
選定に際し、機能以外の面で、他にどのような条件を考慮したのかを伺ったところ、工藤氏も第一に技術的なサポートの必要性を挙げた。「我々はサービスプロバイダとして、一瞬のサービス停止も許されません。サービスプロバイダのトラフィックは膨大なので、5分ほどの遅延でも溜まったデータの後処理には相当の時間を要し、完全復旧までに数十時間かかってしまうような可能性もあるのです」
IronPort製品のようなアプライアンスはオープンソースプロダクトのように、検索すればノウハウが出てくるというものでもない。「細かなノウハウの部分までサポートしてもらえることが大切」と工藤氏は強調する。
一般的に、海外ベンダーは日本語でのサポートに不安がある。しかしIronPortは非常に手厚いサポートを特長にしている。今回のIronPort X1000導入に際し、工藤氏は次のように述べている。「既存のアーキテクチャに対してどのような工夫をすれば良いか、というコアなアドバイスをIronPort自身から受けられたのが良かったですね。またIronPortと共に技術サポートに加わってくれましたIronPortの販売パートナーさんの技術力も高く、信頼できるサポート体制に大変満足しました」
以上のようなことからも、@niftyメールのリニューアル、無料サービス開始において、IronPortが果たした役割は大きかったと言えるだろう。
「当社サイトのIR情報などを見ていただければ分かるかと思いますが、代表取締役社長の和田一也が『利活用分野への積極的な投資による新サービスの早期立ち上げ』を重要な事業戦略のひとつとして語っているように、インターネット上で楽しむ、インターネットを活用するといった、接続サービス以外のサービス分野にも力を入れています。無料メールサービスは、まさにその各種サービスへの入り口となるものです。もちろん、そこには高いサービスレベルが要求されていますし、その一方できちんとした収益性も求められます。こういった我々の要求に対して、IronPortはメールセキュリティといった観点での製品力のみならず、導入から運用にいたるまで総合的に十分ペイできるソリューションであると思いますね」(工藤氏)
送信技術も含め、日本の迷惑メール事情は多様化する一方。精度を落とさぬよう、かつ新しいものに対応していくことがスパムフィルタリングやメールセキュリティのアプライアンスには求められている。IronPortの導入は、企業の生命線である「メール・コミュニケーション」や「サービス」のための、 “ベスト・ソリューション” と言えるだろう。