IT部門が環境を整備、業務部門が主体的にBIへ取り組む、BIのあるべき姿とは?

属人化したExcelでの“不具合データ”の分析が限界に

 デノンと日本マランツの経営統合により、2002年に誕生した音響・映像機器メーカーのディーアンドエムホールディングス。100年の歴史を持つ「DENON」をはじめ「Marantz」や「Boston」などのブランドを展開しており、その高品位な製品は世界中のオーディオ・ビジュアル愛好家から支持されている。

 こうした高品位な製品を生み出し続けられる背景には、同社が長年行ってきた不具合に関する絶え間ない情報収集と分析への取り組みがある。アメリカ/ヨーロッパ/アジア/日本という4つの主要リージョンを含む、世界各国で販売された製品について、故障の詳細や数量、原因、修理内容までデータ化して集計。そのレポート結果を毎月の品質会議で精査し、設計・開発部門へとフィードバックしているのだ。

 しかしある時、この長年実施してきた取り組みにも限界が見え始めたという。まず課題となったのが、データ処理にかかる社内リソースおよび業務負担の大きさだ。母数となる販売台数が増えれば、故障の数量も増加するのは当然のこと。そのデータ件数は月間約数万件にも達しており、分析前の下準備だけでも相当な手間と時間が必要になっていた。分析にはExcelのマクロを使用していたが、マクロ依存のデータ分析では作成者以外がアウトプットやメンテナンスを行うことができず、特定の担当者に負担が集中する属人化した作業も問題だったという。また、分析からレポート作成まで大半の工程で手作業が必要になるため、ヒューマンエラーが発生しやすいのも懸念材料だったそうだ。

従来の情報資産を活かして最適な情報基盤が構築できる「Dr.Sum EA」

 課題解決の道を探し求めていた同社では、意外にも社内に一筋の光明を見出した。それが、既に社内導入されていたウイングアークの集計・分析プラットフォーム「Dr.Sum EA」である。IT部門では当初、基幹システムからのデータを基に、品目別の売上や在庫照会、営業所別の売上実績、販売速報や倉庫在庫、さらには経理の予算実績管理などの集計業務やレポートの作成に活用していたという。こうした背景から、同社ではIT部門が先導してDr.Sum EAの活用を業務部門に推進。その目的は、修理データを全社共通のデータベースに集約してガバナンスを効かせることで、品質に関わる多様な部門のマネージャーや担当者に向けて、簡単かつ便利に分析結果を共有できる環境の構築だ。ただし、IT部門が手掛けるのはあくまでもBI環境の整備や基幹システムとの橋渡しがメインとなる。実際の業務と密接に関係する部分については品質保証部CSグループが中心となって、2010年11月にDr.Sum EAを基盤とした「Quality Report」の構築をスタート。ウイングアークのBIコンサルティングによる構築支援を受け、わずか3ヶ月後の2011年2月に正式運用を開始したのである。Dr.Sum EAは、企業が保有するさまざまなシステムのデータを簡単に統合し、一括して集計・分析する情報基盤の構築が可能なプラットフォームだ。独自開発のデータベースエンジンで高速なデータ集計を実現しており、階層設計やキューブ設計などを行うことなく、直感的に使えるインターフェースから必要なタイミングで瞬時に集計・分析することができる。

リージョンという枠を超えてDr.Sum EAが“共通言語”に

提供:ウイングアーク1st株式会社
[PR]企画・制作 朝日インタラクティブ株式会社 営業部  掲載内容有効期限:2016年12月31日
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