Salesforce.comのプレジデント Jim Steele氏は、日本を「第2の故郷」と呼ぶ。以前IBMに勤務していた頃、約4年を日本で過ごした経験があるためだ。そのSteele氏は、今でも頻繁に来日している。
米国では10月9日よりSalesforce主催の年次イベント「Dreamforce '06」が開催されたが、その直前にもSteele氏は来日していた。サンフランシスコで1週間ぶりに再会した同氏に、今回のイベントで発表されたオンデマンドアプリケーションの開発言語およびプラットフォーム「Apex」について、また日本での会見で同氏が話した日本におけるデータセンター設立について聞いた。
Salesforce.comのプレジデント、Jim Steele氏
Salesforceの提供するサービスはCRMやSFAが中心で、ユーザーはマーケティング部門やカスタマーサービス部門にいる現場の人たちでした。AppExchangeでインテグレーションやカスタマイズが可能となり、CIOレベルの人たちにもSalesforceをアピールできるようになりましたが、AppExchangeはCRMに柔軟性を与えたのみで、開発環境までは提供できていなかったのです。
Apexはより深いレベルのカスタマイズが可能となり、開発者が自由にアプリケーションを作りこむことができます。また、ウェブ上でオンデマンドアプリケーションの開発ができるので、デベロッパーはMicrosoftの世界から解放されることになります。開発するアプリケーションもCRMという枠にとらわれないため、業界や地域に特化したさまざまなソリューションが登場する可能性もあります。
タブを変更するなどのカスタマイズはできたものの、プログラミングまではできませんでしたから。AppExchangeを開始して以来、ユーザーは「ここまでできるのであれば、実際にコードをいじりたい」と思うようになったのです。われわれも、ユーザーがそこまでクリエイティブだとは思っていませんでした。こうしたニーズに応えるため、そして開発者コミュニティにアピールするためにもApexは重要だと考えています。
詳細はまだ決まっていません。12月にはアナウンスできるのではないかと思っています。今回はこうして事前にSalesforceの方向性を示すことで、フィードバックを得たかったのです。今のところいい反応を得ています。
Apexを無料で提供しないのは、利用者に本気で取り組んでほしいということからです。本気で利用する人は、無料でなくとも利用したいと思うはずですから。ただ、少人数の開発者などに対してはほぼ無料で提供できるようにしたいと考えています。小規模のベンチャー企業などには、できるだけ簡単にSalesforceにアクセスしてもらいたいですからね。
Apexを利用して開発を行うエンジニアは、Salesforceの社員と同じ環境にいることになります。つまり、ApexでSalesforceのエンジニアが5倍にも10倍にも増えることになるのです。社内リソースには限りがあるので、開発者が増えることはわれわれにとって非常に大きなメリットです。
現段階で具体的な契約や時期などの目標はないものの、最終的に設置することになる、ということです。今は、われわれにとっても顧客にとっても納得できる条件がそろう時期を見計らっている段階です。すでにデータセンターを持つ企業の中に入るのか、われわれ独自のデータセンターを開設するのか、パートナー企業に協力してもらうのかなど、設置方法もさまざまです。ただ、いずれの形式にせよ、データセンターを持つと管理が必要ですから、そのための人員などリソースも必要です。そのリソースを割り当ててもいいと思える時を探っています。
日本が先か、ヨーロッパが先か、それはわかりません。日本に設置する意向があるということはお話しできますが、まだ時期さえ決まっていませんからね。
ただ、今は米国と諸外国との接続速度はそれほど遅くありません。それが、米国以外の近隣の国同士で接続した場合、距離が近いからといって速度が早くなるとも限らないのです。もし日本にデータセンターを設置して、例えば香港が日本に接続するようになると、その接続速度は現在香港のユーザーが米国にアクセスしているのと最低でも同じ速度であることが求められます。各国におけるデータセンターの設置は、まずその速度を保証できることが条件のひとつとなってくるでしょうね。
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