このような市場の変化を捉えるためには、2つ目のポイントであるビジネスモデルの変化を捉えることが重要になる。ビジネスモデルの変化とは、たとえばアパレル業界であれば、カジュアルとエレガンスの流行が6年周期で入れ替わるというものだ。「人の行動には周期が伴う。この周期を正しく理解せず、エレガンスが流行しているときにカジュアルなものを作っても売れないのは当たり前のこと」と長島氏は言う。
この変化をIT業界に当てはめてみると、1963年に汎用コンピュータが登場して以来、15年周期で集中と分散が繰り返されている。まず1963年〜1979年までのコンピュータ時代の幕開けを経て、1979年から1994年まではメインフレーム市場の成長による集中化、次に1994年〜2009年までがオープンシステムへの転換による分散化、そして2009年以降はクラウド時代への転換による集中化へと移り変わっている。
長島氏は、「現在は、クラウド時代に向けた変化の時代となっており、作る(開発する)ことに対する付加価値が減少している。しかし、これにより顧客の選択肢は拡大した」と話す。言い換えると、これまではシステムを“(開発により)所有”することがトレンドだったが、これからは“(クラウドを)使用”するという選択肢が拡大したということを意味している。
3つ目のポイントである購買心理の変化について長島氏は、「ボーナスが40%カットされると聞いて、ボーナスの支給前に購入を計画していたものを買うだろうか?きっと買わないだろう。企業のIT投資もこれと同じことがいえる」と話す。不況により、1年を超える大型案件は中止や延期、凍結を余儀なくされ、必要なIT投資以外は行われなくなる。また、価格に対する反応が高くなり、投資先の見直しも行われることになる。
長島氏は、「短納期で効果が明確であり、回収がイメージできるものには継続して投資が行われる。そのためには、購買者のこだわりに応える提案力が必要であり、部門の担当者から経営層までが納得できるシステム提案のあり方を模索することが必要になる。厳しい話しもしたが、時代の変化に適応し、顧客企業から選ばれる企業になってほしい」と講演を締めくくった。
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