富士通は、システム開発での要件定義の課題を解決する新手法を「新要件定義手法」として確立。今後、同社が手がけるシステム開発への適用を開始し、2010年度末までに100件のプロジェクトに採用する。2010年度からは3億円以上のプロジェクトに社内ルールとして導入を義務づける。
2万件の中からシステム開発、保守実績を分析
ユーザーのビジネス要求をシステム機能に落とし込む工程となる要件定義は、システム開発の上流工程として最も重要なものとされている。富士通によると、その本質的な課題として次の3点が挙げられるという。
今回の新要件定義は策定前に、まず富士通が手掛ける年間2万件の中からシステム開発や保守実績を分析。これで見えてきた課題を解決し、経営への貢献や業務部門の業務効率の向上、情報システム部門の運用負荷軽減を実現、費用や期間を抑えて開発できるように要件定義の精度向上を支援するという。
新要件定義手法は何が新しいのか?
新要件定義手法は、
- 要件の構造化
- 因果関係からみた要件の可視化
- 要件を成熟させるプロセス
といった3つの方法論から構成され、要件の階層構造データベース、関係分析ワークシート、要件定義の手順書、要件評価シートなどをユーザーに提供する。
要件の構造化
「要件の構造化」では各要件を、経営層、業務部門、情報システム部門の3つの役割と、目的、手段の繰り返し構造によって整理。経営の目的、施策、業務要求、実現手段、システム機能の5つの階層で要件を構造化する。
この構造化によって、役割ごとに定義すべき要件、部門間で合意するべき要件が明らかになるとともに、要件の安全性が確認できるたため曖昧さを排除できるという。
因果関係からみた要件の可視化
「因果関係からみた要件の可視化」では、5つの階層で構造化した要件の関連をひとめで把握することができるワークシートを用意する。
これにより、要件の充分性、妥当性などを客観的に分析することが可能になり、納得性の高い合意形成や優先順序づけにより、要件の絞り込みに貢献できる。
要件を成熟させるプロセス
「要件を成熟させるプロセス」では、要件定義の作業を経営層、業務部門、情報システム部門の間や、関連する業務部門間、部門内の部門長や担当者間といった利害関係者間の調整を考慮した合意形成のための5つのフェーズを用意、12のタスクに分けてタスクごとに利害関係者間の合意形成を、まんべんなくとるための作業を定義する。
フェーズは、「スタートライン」「ステージ1」「中間レビュー」「ステージ2」「最終レビュー」と5つの段階を踏む。
さらに、各タスクの完了時に各要件の検討度合いを38の軸から評価し、要件の成熟度を把握、適切なタイミングでの対策などを可能とするという。
失敗が見込まれる商談の獲得と要件確定の不備が生む失敗プロジェクト
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