クラウド版「Forefront」登場へ--MS、企業向けセキュリティ製品戦略を明らかに

文:Elinor Mills(CNET News.com) 翻訳校正:編集部

2009-04-16 11:57

 Microsoftは米国時間4月16日、Forefrontブランドの下で初めてのホステッドセキュリティサービスを提供開始する。電子メールの受信箱をマルウェアやスパムから守ることを主眼とする同製品は「Forefront Online Security for Exchange」と呼ばれる。

 MicrosoftのIdentity and Security Business Groupでゼネラルマネージャーを務めるDoug Leland氏によると、製品はExchangeを利用する企業顧客をターゲットとし、ウイルスやスパムからの保護ポリシーを設定するウェブベースのコンソールも同梱するという。利用料金は1ユーザーあたり年間20ドルだが、ボリュームライセンスユーザーにはより安価で提供される。

 リリースは、今週ベータ版の提供が開始された「Exchange Server 2010」のタイムラインに沿った形で行われる。他のホステッドセキュリティサービスも提供される予定だが、Leland氏はコメントを差し控えている。

 さらにMicrosoftは同日、Forefrontの次世代版にあたるセキュリティスイート「Stirling」の公開ベータを新たにリリースする。

 Stirlingの最初のベータ版は1年前にリリースされたが、2008年中に新しいバージョンに置き換わる予定だった。Stirlingにはクライアント向け、サーバ向けの技術やアプリケーションセキュリティ技術、統合管理コンソールが含まれる。

 Stirlingを構成する各製品は、「Forefront Security for Exchange Server」と「Forefront Threat Management Gateway」とともに2009年から2010年前半にかけてリリースされる予定。

 また、「Microsoft Identity Lifecycle Manager」は「Forefront Identity Manager」に名称が変更され、「Geneva」という開発コードで呼ばれる新技術を搭載するようになる。新技術により、企業はソフトウェアやセキュリティにおけるセキュリティを改善できる。

 さらに、Microsoftは、RSAとの戦略的提携など、パートナーとのエコシステム作りに7500万ドルを投じることを明らかにした。Stirlingとの連係に参加する企業としては他に、Kaspersky、Brocade、Juniper Networks、Guardium、Imperva、Sourcefire、StillSecure、Q1 Labs、Tipping Pointがある。

 このような提携の背景には、「Business Ready Security」を提供するというMicrosoftの戦略がある。

 同社はこれら一連の動きを通して、セキュリティ製品の幅を広げて、IDというコンセプトを軸とした企業データの保護、アクセス、管理も提供してゆきたいと、Leland氏は述べている。

 Leland氏は、Microsoftでは企業に「きめ細やかなセキュリティポリシーを設定できる機能を提供し、企業内のデータ評価者が誰で、データをどう扱いたいのか理解を深めたい」と考えていると語った。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]