インフォテリアは10月22日、SaaS(Software as a Service)ビジネスを専業とする100%出資子会社「インフォテリア・オンライン」を設立、SaaS市場に本格参入することを発表した。またインフォテリア・オンラインでは同日、7月にベータ版として提供していたオンライン表計算ソフト「OnSheet」をSaaS形式で本格サービスの提供を開始した。
OnSheetは、500以上の関数をサポートし、36種類のグラフ機能を搭載するなど、基本的な機能を網羅した、オンライン表計算サービスになる。法人向けでは、SSLでの暗号化がされ、VPN接続や法人内サーバへの提供にも対応する。インフォテリアの「ASTERIA」などで培われたデータ連携技術をベースにした「OnSheetパイプライン」を利用することで、製品管理システムや顧客管理システム、営業支援システムなどのデータと連携できるようになっており、OnSheetそのものを社内システムのインターフェースとして利用することもできる。
「OnSheetは“つなぐ”ことに重きを置いている」と語るインフォ照りリア・オンライン社長の藤縄智春氏
インフォテリア・オンライン代表取締役社長の藤縄智春氏は、「Excelなどの従来の表計算ソフトは、データが個人PCの中にあって、中央で制御することができない、ファイルが分散することで、複数の人が更新していくうちにどれが最新版なのかわからなくなるなどの問題点を抱えている。また、表計算ソフトを使って財務データを処理しているという企業もあるが、これは内部統制でのスプレッドシート統制という問題につながっている」と、表計算ソフトの現在の問題点を説明している。
その上で、OnSheetがもたらすメリットとして「データはすべてサーバ上で管理され、個人単位でアクセス制限と履歴を参照できるようにもなっている。またファイルが分散することがないことから、最新版がわからなくなることもないし、更新していくたびに自動的に履歴が管理され、以前のバージョンに戻すことも可能だ」と語っている。
また、藤縄氏はGoogleドキュメントなどの他社のオンライン表計算サービスとOnSheetの違いについて「他社はExcelの置き換えをねらっているが、OnSheetは企業内外のデータと“つなぐ”ことに重きを置いている」と説明している。
Excelと変わらない操作性を保持するというOnSheet
OnSheetは、個人向けには無料で、法人向けには1ユーザー当たり月額500円で提供される。データ連携機能であるOnSheetパイプラインはオプションで、1法人当たり月額6万円となっている。法人向けでは、年額での利用料方式でも提供され、1法人5人までで1年目が3万円、2年目が2万1000円となっている。
インフォテリア社長兼CEOの平野洋一郎氏は「SaaSは特別なものではなくなる」とみている
SaaS専業の子会社としてインフォテリア・オンラインを設立したことについて、インフォテリア社長兼最高経営責任者(CEO)の平野洋一郎氏は、「インフォテリアの従来製品は、大企業や中堅企業向けにパートナー経由で提供していたが、SaaS市場では中小企業やSOHO、個人がメインとなっており、直販で提供することが前提だ。ターゲットとチャネルが異なることから、専業会社を設立することにした」としている。インフォテリア・オンラインでは今後3年間で売上高10億円を目指すとしている。
またSaaS市場について平野氏は、「Windowsがハードとソフトをアンバンドルし、XMLがデータとアプリケーションをアンバンドルしたように、SaaSは、事業とITインフラをアンバンドルするという意味を持っている。このことから、ITインフラとしてのSaaSは特別なものでなくなるとみている。その市場規模は2010年に1兆円になるという予測もなされている」と語っている。
OnSheetはiPhone・iPod touch向けにも、ベータ版として提供されている
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