「iPad」用Xクライアント「iLIVEx」が登場--マルチタスクや「Flash」に対応

文:Brooke Crothers(Special to CNET News) 翻訳校正:湯本牧子、吉武稔夫

2010-10-04 11:22

 米カリフォルニア州サニーベールを拠点とするStarNet Communicationsは米国時間9月29日、「iPad」をLinux、UNIX、メインフレーム、およびスーパーコンピュータ向けのX端末に変えるXクライアント「iLIVEx」を発表した。X端末は、クライアントではなくサーバ上でデータ処理を行うことから一般にダム端末(dumb terminal)と呼ばれている。

 iPadユーザーは、Appleの「App Store」で14.99ドルで販売されているiLIVExを使うと、UNIXおよびLinuxのデスクトップや、リモートのUNIXおよびLinuxサーバにホストされたアプリケーションに接続できるようになる。高速性も突出しており、「iLIVExは非常に軽いデータ転送プロトコルが特長で、3G接続でもLANのようなパフォーマンスを実現できる」とStarNetは述べている。

 またStarNetによると、iLIVExはiPadへの安定した接続を保つことができるという。「接続は(中略)安全に暗号化されたSSH(Secure Shell)トンネルを介して行う。セッション保持機能が組み込まれており、iPadへの接続が切断されたり、電源が切れたり、またはユーザーが一時的に他のiPadアプリに切り替えたりした場合でも、リモートデスクトップに再接続できる」

 Linuxユーザーでなくても、iLIVExを利用してリモートデスクトップが実行できる。iLIVExを購入すると、StarNetがホストするLinuxサーバ上のLinuxデスクトップアカウントが同社から無料で提供される。ユーザーはStarNetのリモートデスクトップ上で「現在iPadで提供されていない多数の機能」を利用できると、StarNetは述べている。

 StarNetによると、iPad上のiLIVExクライアントには以下の機能が用意されているという。

  • 「Adobe Flash」を使用したページの閲覧:リモートのLinuxデスクトップ上で「Firefox」を介して可能。
  • 真のマルチタスキング:iLIVExユーザーは、複数のオフィス向けアプリケーション(文書作成、電子メール、表計算など)で同時に作業したり、異なるアプリケーション間でデータをコピー&ペーストしたりできる。
  • セッション保持:ユーザーは、iPadがネットワークから切断された後でも、リモートのLinuxまたはUNIXデスクトップにいつでも再接続できる。StarNetによれば「切断によって作業が失われることはない」という。
  • デスクトップの切り替え:ユーザーは、iPad、Windows、Linux、Macの間でシームレスにリモートデスクトップを切り替えられる。
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この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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