アジアのIT

アップルとマイクロソフト、長いOS安定期の終わり

Stefan Hammond Enterprise Innovation日本版

2014-04-04 07:30

 4月8日をもって、MicrosoftのWindows XPはサポートを終了する。一方、Appleの「Snow Leopard」(OS X 10.6)はすでにサポートを終了しており、今後、Snow Leopard向けのパッチは提供されない。

 個人ユーザーや企業は、この状況とその意味するところを理解する必要がある。重要な役割を果たすOSには、セキュリティの脆弱性に対応するパッチが定期的に提供される。しかし、サポートが終了したOSに対してはパッチは提供されない。現在のセキュリティ環境を考えれば、使用しているデスクトップやラップトップのOSには、定期的なセキュリティ監視やパッチの配付が不可欠だ。

ユキヒョウは洞穴へ

 AppleのOS X 10.6は、依然として広く利用されている。2009年8月28日に発売された10.6は、多くのMacユーザーの間で、後継OS Xバージョンよりも高い評価を誇る。

 現行(および最終)バージョンは、2011年中頃にリリースされた10.6.8。「32 bitIntel Core Solo」と「Intel Core Duo CPU」をサポートする最後のOS Xだ。テクノロジは急速に進化する。Intelの新型チップがMacに搭載された現在、Appleは最新OSのMavericks (最新バージョンは10.9.2) を提供している。 最後の「ビッグキャット」OS、「Lion」および「Mountain Lion」のサポートは継続されているが、Snow Leopardは、生まれた洞穴に送り返された形だ。

 このことは、何を意味しているのだろうか。まず、10.6.8を使用し続けること自体は可能だ。特定のハードウェアに依存しているユーザーにとっては、その方が都合が良いと思えるかもしれない。しかし、10.6.8を使用する場合は「密封」が必要になる。つまり、インターネットに接続してはいけない。

 驚くかもしれないが、コンピューターはネット接続なしでも使用できる。コンピューターには「常時接続」が必須、という考えは正しくない。古いMacであっても、すぐれたマルチメディアセンターやワードプロセッサ、ストレージハブの役割を果たせる。実際のところ、インターネットが普及する前から、PCはこうした機能のほとんどを持っていた(若いユーザーは当惑するかもしれないが、これは事実だ)。

 AppleのOS Xに関する最新のセキュリティ問題を考えると、Snow Leopardを搭載したMacは、ネットから切り離しておくのが望ましい。Appleは、この状況についてはっきりとした情報を提供せず、Snow Leopardのサポート終了についても告知していない。企業ユーザーなら、新しいハードウェアの購入を余儀なくされても、OSをアップグレードするべきだ。

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