オフィス家具の輸入販売およびオフィスのインテリアデザインを手がけるF社。
これまで表計算ソフト等で行っていた販売・在庫管理業務のシステム化を行うことを決定し、システムコンサルティング会社であるJ社に依頼した。
J社から「詳細設計報告書」が提出され、それにもとづきシステム開発が行われたが、途中で仕様の追加・変更が多発した。
開発が長引く中、F社およびJ社とも双方の担当者が退職したこともあり、システムの仕様がブラックボックス化したままではありながら、何とかJ社よりソフトウエアが納品された。
F社で受入れテストを開始したところ未開発の機能や障害が多発するなどの状況であったため、F社はシステムの検収を拒否。
開発元のJ社からは、当初の「詳細設計報告書」の要件は満たしているとの主張により追加の改修費用とスケジュールの延期が提示された。
両者見解相違により膠着状態のまま、弊社はF社より納品されたシステムが業務の用に供するか否かの評価をして欲しいとの依頼を受けた。
そこで、弊社でF社に納品されたシステムの評価を実施し、調査報告書を取りまとめた。
『納品物件としての完成度55%、業務要件の完成度18%は、いずれの基準としても完成度としては非常に低い数値。
本システムはデータ更新をリアルタイムに実現するため、構造上各モジュール間が密に連携するつくりとなっている。
そのためエラーの影響範囲が広範囲に渡る場合が多く、機能単体で完成していても業務単位で利用不能なケースが多々存在する。』つまり現実的には使い物にならず。
その後、弊社の調査報告書を証拠書類としてF社はJ社に対し訴訟を起こした。
まさに経済産業省【情報システムの信頼性向上に関する評価指標】のケースモデルともいえるような事例をご紹介します。
ホワイトペーパー