BYODに必要なのはデバイスの管理ではなくアプリケーションの管理
「BYOD」という単語が一気に世間に広まった後に、一転して「日本の企業文化にはBYODは合わない」といった声がちらほらと聞こえた時期があった。その最大の理由は、もしBYODでスマートデバイスを紛失するなどした場合、MDMのリモートワイプ機能を使うことで仕事のデータだけでなく個人のデータも失われてしまうことになり、それでは社員の反感が強くなるというものである。また、管理対象となるデバイスの種類が多岐に渡るため、MDMが対応しているかなどを含めて運用負荷が増大してしまう点もよく懸念される。
レコモット代表取締役CEO
東郷 剛氏
しかしここに来て、本格的にBYODを取り入れる国内企業が増えてきている。その理由についてレコモットの代表取締役CEO、東郷剛氏は次のような見解を述べる。「"BYODにはMDMがつきもの"といった誤った認識がかなり払拭されたのが大きいでしょう。MDMは会社支給でスマートデバイスを管理するには欠かせないツールですが、実はBYODには必要ないのです」
では、なぜBYODではMDMを使う必要がないのだろうか?
──それは、会社支給の場合にはスマートデバイスはあくまで会社の資産であるため、会社側が完全にデバイスをコントロールしなければならないのに対して、BYODではユ ーザーが仕事で使うアプリケーションのみをコントロールすれば済むため、デバイスのすべてに対して権限を持つ必要がないからである。
「アプリケーションさえコントロールできれば、会社の情報資産は守れるのです。そうであれば、ユーザーからしても自由度が高く、企業側もコスト低減につながるBYODを望むケースが多いのは当然と言っていいでしょう。昨年ぐらいからそうした正しい認識が国内でも定着し始めたこともあり、BYODの導入事例が一気に増えているのではないでしょうか」(東郷氏)
BYODに適したMAMとそうでないMAMの違い
こうした流れを受けて、スマートデバイス内のアプリケーションをコントロールするためのツールとして昨今注目を集めているのがMAMだ。EMM(Enterprise Mobility Management)製品を構成する1ツールとして提供されることの多いこのMAMだが、注意が必要なのは、同じMAMであってもBYODには向かないものが多々あるという点である。そうしたBYODには適さないMAMツールは、元々MDMベンダーが提供しているものに多く、MDMとMAM、MCMの機能がEMM製品として一体化していて切り離せないのである。これでは相変わらず"MDMの呪縛"から逃れられないことになり、ユーザーからの抵抗感も消えることはない。また必要がない機能のための余計なコストも生じてしまうことになる。
一方、BYODに最適化された純然たるMAMとしてレコモットが提供しているのが「moconavi」だ。セキュア型MAMである「moconavi」は、業務用のワークスペースを持った単独のアプリであり、その中でドキュメントビューワーやメール、カレンダー、セキュアブラウザ、アドレス帳など、仕事に必要なあらゆるアプリが網羅されている。そしてその最大の特徴は、キャッシュを含めて一切のデータをデバイス側に残さないことだ。このため、万一デバイスを紛失したり盗難されりした場合にも、仕事用の情報が漏えいする心配はないのである。ビジネスとプライベートの領域が完全に切り分けられているので、「moconavi」から外部へのコピー&ペーストやスクリーンキャプチャなども行えない。
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こうしたセキュアかつ利便性の高い特徴が注目され、「moconavi」は国内の大手金融機関や通信キャリアといったとりわけ高いセキュリティレベルが求められる企業の間でも既に活用されている。そんな「moconavi」の詳細な機能や具体的な導入事例などは、来る6月3日に都内で開催されるエンタープライズモバイルセミナー「モバイルで『働く仕組み』を根底から変える~導入成功企業、失敗企業の狙いは?」における東郷氏のセッションにおいて言及される予定だ。そこでは実際の「moconavi」活用シーンのデモも行われる。さらに当日には、期待されているWindows対応についてのレコモットからの"回答"や、ユニファイファイドコミュニケーションの新しいかたちも明らかにされるという。会社と社員がともにメリットを享受できるBYODを模索しているすべての方々にとって必見の内容となることは間違いないので、ぜひ当日は会場へと足を運んでみてはいかがだろうか。
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開催日:2015年6月3日(水) 開催場所:ベルサール神保町アネックス