現場の数字を、Excelを利用して異なるシステムにつなぐ
EAI/ETL製品を利用すれば、異なるシステム間を連携するだけではなく、Excelとの連携も可能だ。Excelはさまざまな業務の現場で利用されており、マクロなどを組み合わせることで、入力作業を効率化することも一般的に行われている。このExcelをエンドユーザーの入力インタフェースとして利用し、EAI/ETLで連携することで、例えば、各部門や拠点のデータを業務システムと連携させ、集計スピードの向上や二重入力による転記ミスの削減などに役立てている例も多い。
しかし、Excelを利用することには、課題も残る。Excelは、一つひとつのファイルが個別のデータを持つ形となっているため、迂闊なファイル管理によってファイルが散在してしまうといったことが考えられる。また、エンドユーザーが容易にカスタマイズできるため帳票のフォーマットに変更が加えられたり、複雑なマクロを使い、作った本人にしかフォーマットに変更を加えられず属人化につながるといったリスクもある。さらに、帳票の改変時や、新しい帳票を使うときに、対象ユーザー全員に配布するのにも手間がかかる。このように、情報漏えい対策やITガバナンス、運用の観点からの課題があるのだ。
Webアプリ「CELF」をEAIのフロント画面にするという新発想
EAI/ETL製品を利用することによって、現場のデータを迅速に他システムに連携させたいとニーズがある一方で、営業や製造といった現場自らがIT部門やSIerに依存することなく、現場のニーズに適したアプリケーションを作り、業務の効率化を進めたいというニーズが存在している。
ここでも現状では、多くの企業でExcelが活用されている。Excelは多くの人が使い慣れているソフトではあるが、複数人で共有する場合には、素早く情報を集計できない、管理が煩雑になるといった課題がある。それを避けるためにシステム化を検討したとしても、外部に開発や改修を委託すると高額な開発・保守費が必要となり、費用対効果の面から実現しづらい。
こんなときおすすめするのが、SCSKが提供しているWebアプリ作成・運用ツール「CELF」(セルフ)だ。Excelに似た感覚でWebアプリを現場手動で手軽に作成・公開・利用できる。CELFのユースケースは、例えば、「予算実績管理」、「見積案件管理」、「各種申請書・帳票」、「マスタメンテ」などの業務アプリを、現場主導で容易に構築できるのだ。
CELFはWebベースのため、Excelのようにファイルが散在してしまうといった心配がなく常に最新の状態を維持できる。また、ユーザーごとに権限を設定することでリリースされた各アプリの利用可否なども細かく管理できる。
EAI/ETL製品とCELFを利用すれば、部門に適した業務アプリを現場自ら構築できるだけではなく、CELFに蓄積された業務データを他システムへ連携することも可能になる。例えば、EAI/ETL製品のERPアダプタとCELFを組み合わせることで、SAPやEBSのマスタへデータの連続入力が可能となる。また、SalesforceアダプタとCELFを組み合わせることで、Salesforceと見積システムとのデータ同期がシームレスに行えるだけでなく、Excelライクな帳票作成も可能となる。
SCSKは現在、インフォテリアのASTERIA WARP用、アプレッソのDataSpider Servista用のアダプタを開発中であり、今後は主要なEAI/ETL製品にも対応していく予定だ。
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SCSKは、十数年前にシステム連携のスペシャリストで構成した専門チームを設置し、EAI/ETL製品の多くをディストリビュータおよびインテグレータとして手掛けている。このチームが様々な業種別ビジネスユニットに協力する形で、既に250社以上のユーザーへの導入実績を重ねてきており、多数のノウハウやメソドロジ―を保持している。また、EAI/ETLツールに関する独自のサポートサイトを提供し、ベンダーサポートをより充実させる形でユーザーを支えている。
CELFとEAI/ETL製品の組み合わせは、様々なビジネスシーンを効率化する上で、革新的なソリューションとなりそうだ。