掲載日時: 2006-07-12 20:39

SOA対応のプロセス統合をフロントエンドで実現する「IBM WebSphere Portal V6.0」

日本IBMは、企業システムのユーザーインターフェースとしてはもちろん、SOAに基づいた社内外のプロセス統合をフロントエンドから実現するエンタープライズポータルソフトウェアの最新版「IBM WebSphere Portal V6.0」を発表した。

著者 : 山下竜大(編集部)

URL : https://japan.zdnet.com/article/20168527/

 日本アイ・ビー・エム(日本IBM)は7月12日、企業システムのユーザーインターフェースとしてはもちろん、SOA(サービス指向アーキテクチャ)に基づいた社内外のプロセス統合をフロントエンドから実現するエンタープライズポータルソフトウェアの最新版「IBM WebSphere Portal V6.0(WP V6.0)」の出荷を、2006年8月24日より開始することを発表した。ダウンロード版は2006年7月26日より提供される。

 この発表は同日、「SOAが変える、リッチクライアントが変える、Lotusが変える企業の未来」をテーマに都内で開催された「LotusDay 2006」の会場で行われたもの。LotusDay 2006は、7月12日、13日の東京開催から、7月28日の大阪開催まで、全国6都市で開催される。詳細は、日本IBMのウェブサイトで紹介されている。

IBMの澤田氏 日本IBM ソフトウェア事業 Lotus事業部長の澤田千尋氏。

 WP V6.0は、「WebSphere」の名前が付いているものの、WebSphereブランドではなく、Lotusブランドの製品ポートフォリオに組み込まれている。日本IBMソフトウェア事業Lotus事業部長の澤田千尋氏は、「WebSphereブランドは、バックエンドシステム構築を支援するミドルウェア製品群という位置づけ。フロントエンド部分のユーザーの目に見える部分は、Lotusブランドとして提供するという方針になっている」と話す。

 現在、Lotusブランドから提供されている製品は、メッセージング&コラボレーションソフトウェア製品である「IBM Lotus Notes/Domino」を中核に、エンタープライズポータル製品の「IBM WebSphere Portal」、コラボレーション環境を実現する「IBM Workplace」、モバイル環境からNotes/Dominoにアクセスできる「IBM WebSphere Evryplace」の大きく4つの分野で提供されている。

 WP V6.0の特長は、「SOAに基づいてフロントエンドからプロセスを統合する機能の強化」「操作性の改善によるビジネスの生産性向上」「スケーラビリティの向上」の大きく3つ。SOAに基づいてフロントエンドからプロセスを統合する機能の強化では、業界標準のサポートやコンポジット・アプリケーションテンプレート化機能、オーケストレーション機能などが強化されている。

 WP V6.0では、WebサービスやSOAPなどの業界標準やポータル画面上のアプリケーションを構成するポートレット標準である「JSR168」をサポート。IBMが買収したBowstreetが提供していたポートレット開発ツールを「IBM WebSphere Portlet Factory」として同梱している。同ツールを使用することで、Notes/DominoやSAP、RDBMSなどの必要な機能を、ソースコードを記述することなく容易にポートレット化して統合することができる。これにより、従来の開発に比べ、約12分の1の時間でポートレット開発が可能になるという。

 また、複数のポートレットやポートレットで構成される複数のページが連携することで実現されるコンポジット・アプリケーションを管理、再利用する機能「Template Library」を搭載。類似した、ポータルをコンポジット・アプリケーションとして容易に構築することができる。最新版ではさらに、プロセス管理ソフトウェアである「IBM WebSphere Process Server」を搭載することで、業務プロセスを連動させるオーケストレーションの開発が容易になる。

 操作性の改善によるビジネスの生産性向上では、ポートレットをドラッグ&ドロップによりページ上に配置できるほか、フライアウトメニューやドロップダウンメニューにより、使いたいときにだけメニューリストを表示させることが可能。コンテンツ管理機能を使用することで、Microsoft Office製品やWindows Explorer上からドキュメントのチェックイン/チェックアウトなどが可能になっている。

 そのほかスケーラビリティの向上により、ポータルサイトでアクセスできる利用ページ数が増加。前バージョンに比べ、4倍以上(4000ページ以上)のスケーラビリティを実現している。さらに、バーチャルポータル機能と複数LDAPをディレクトリとしてサポート。ひとつのポータル基盤で、社内ポータル、社外ポータルなど、セキュリティやアクセス権限に応じた用途別ポータルを運用することもできる。

 WP V6.0には、利用規模や形態に応じた3種類の価格体系を設定。1CPUあたりの利用料金は、ポータル環境を初めて導入するユーザー向けの「WebSphere Portal Server」が715万円より、事業部規模でのポータル導入を検討しているユーザー向けの「WebSphere Portal Enable」が1358万5000円より、全社的なポータル導入を検討しているユーザー向けの「WebSphere Portal Extend」が1859万円より。なお、20ユーザーが利用可能なWebSphere Portal Serverの利用料金は、35万7500円よりとなる。

 日本IBMではWP V6.0を、同社が2006年1月より推進している販売戦略である高付加価値ソリューションの中核として販売していくほか、ビジネスアプリケーションユーザー向けの新サービス「Notes/Dominoユーザー向けWebSphere Portal Quick Start」を2006年8月24日より提供する。同サービスは、ハンズオンによる研修やシステムの導入支援、アプリケーションの開発支援、サンプルポートレットの提供などが含まれており、価格は600万円よりとなる。

 さらに、ビジネスパートナー向けの深プログラムとして「WebSphere Portal技術支援プログラム」を、2006年7月12日より無償で提供する。同プログラムでは、WebSphere Portal対応のアプリケーションを提供しているビジネスパートナーを対象に、さまざまな情報提供や技術支援、製品に関するフィードバックなどが提供される。

 澤田氏は、「WP V6.0では、競合製品より一歩先んじた機能を搭載することで差別化を実現した。新製品の提供とビジネスパートナーとの協業により、エンタープライズポータル市場におけるシェアを拡大し、ナンバーワンの地位をより確固たるものにしていきたい」と話している。

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