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安全・安心なユビキタス社会の実現―NEC |
NECのCSR推進体制はビジネスユニット、グループ会社、サプライチェーンまであらゆる分野で展開されている。また、その体制のもと、リスクマネジメントや社会貢献、環境活動の展開はグローバルであり多岐にわたる。IT、ネットワーク、半導体の3分野を主な事業領域とするNECは、イノベーションで様々な社会的課題の解決に貢献し、「安全・安心なユビキタス社会の実現」を目指している。
NECのCSR経営は「企業理念」「NECグループ企業行動憲章」「NECグループ行動規範」の3つを基盤としている。また、CSR経営の基本方針として、「リスク管理・コンプライアンスの徹底」「事業活動を通した社会的課題解決への貢献」「ステークホルダーコミュニケーションの推進」を掲げている。そんな中で、同社のCSRリスクマネジメントは目を見張るものがあると言える。その中の重点領域として、「品質・安全性リスク」「環境リスク」「情報セキュリティリスク(顧客/個人)」「公正取引に関わるリスク」「労働安全・衛生リスク」「人権リスク」――という6つについて指標を設定し、実績と進捗を把握するため、2004年度〜2006年度に「CSRセルフチェック」を行った。これらはサプライチェーンにおけるリスクマネジメントとも密接に関連している。
CSRセルフチェックは、ビジネスユニットとグループ会社にチェックシートによる自己診断を実施し、課題抽出・改善のPDCAサイクルを徹底させるものだ。チェックシートは国内版と海外版の2つが用意され、グローバルに展開されている。セルフチェックシートを審査する同社の組織体制には、他社も見習うものがあるのではないだろうか。
NECではこれらの経験を活かし、より効果的、総合的なリスクマネジメント体制を確立し、全グループに展開していく予定である。
同社は、1999年に設置した内部通報制度「NECヘルプライン」を2003年11月から拡大するなど、コンプライアンスの徹底も図っている。また、一般の社員へのCSRに関する教育・啓発活動も促進しており、環境・情報セキュリティ・人権・顧客満足度(CS)などの個別要素ごとにeラーニングによる講座を用意するなど、ITを生かしたCSR教育はもっと注目されていいだろう。
また、CSRワークショップのグローバル展開を進め、各国の取り組み事例の共有などを世界各地で展開している。2007年8月には東南アジアのグループ会社の幹部を対象とした社長会を、シンガポールとバンコクで開催し、その後、中国、米州、欧州と続く。
1899年に創業したNECのCSRの考え方は「よき企業市民として社会的課題解決に貢献する」というものだ。その同社が創立100周年に始めた地域活動に積極的に取り組む運動「NEC Make-a-Difference Drive(MDD)」はスタートしてから8年が経ち、NECグループの企業文化として定着したという。2006年のMDDでは国内394拠点、海外76拠点の合計470拠点が参加し、参加したNECグループ社員は24ヵ国で延べ14万1800人にも上り、国内と海外を合わせた地域活動は1961ものプログラムになるそうだ。MDD2006では、ベストプラクティスアワードに選ばれた国内外20拠点の中から、特に顕著な活動を行った国内、海外各1拠点に、2007年5月NEC本社で社長表彰を授与した。こうした取り組みが全世界のNECグループのCSRへの社員のモチベーションを喚起し、求心力の向上に寄与している。
地域社会への貢献という点では、市民レベルのユビキタス社会作りへの貢献としたプログラムを国内で3つ展開している。「NEC子育てママのためのIT講習」では子育て中の母親のデジタルデバイドを解消し就労を支援している。「NECシニアITサポーター養成講座」では、障がい者・高齢者などのデジタルデバイド解消のために、シニア世代のボランティア活動を促進させるものとして、2007年は全国10会場で活動を予定している。
「NECネット安全教室」は、NEC MDDの一環として8年前にスタートした。子どもたちにとって、有害な情報やネット犯罪にかかわる情報がネットを大量に流れている中で、現在のネット社会の中でルールとマナーを持ったネットの活用方法や楽しみ方を子どもたちが体験できる機会を提供している。これらの3つのプログラムは、社外の特定非営利活動法人(NPO法人)とともに展開している。
環境活動としてNECは「2010年度にCO2排出を実質ゼロ」を2002年に発表している。ここで定義しているCO2排出量とは、ユーザーがNEC製品を使用したことで発生する排出量とNECが生産活動中で生じる排出量である。これに対するCO2削減量とは、NECのITソリューションの提供を通じたユーザー、社会でのCO2排出量を削減することを指す。「Co2排出量−Co2削減量=ゼロ」という計算式だ。
こうした取り組みを展開してきている同社はすでに、これまで培ってきたノウハウをもとに「環境経営のノウハウを環境ビジネスへ」という次の段階へシフト使用としている。
同社は、2007年5月に環境ソリューション事業強化を発表している。ユーザーの視点で環境業務を4つに体系化してソリューションを形成している。その4つとは「ITで考える・ITで識(し)る・ITで律する・ITで癒す」である。環境ソリューションの提案件数を、同社は社員に課しており、事業強化への取り組みは時代のニーズとともに社員の意識もあると言えるのかもしれない。
NECの、安全・安心なユビキタス社会への実現に取り組む企業姿勢の一部を垣間見た時、継続性に加えて、グローバル企業とは言っても、一企業から始まるスパイラルは日本の総力を呼び覚ますフックになるかは、2010年のエンタープライズコンピューティング市場の動向を見た時に答えがあるはずだ。
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