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新種のレッサーパンダを捕獲:早速試す「Firefox 3」 |
11月20日、Mozilla Foundationから待望の新ブラウザ「Mozilla Firefox 3」のベータ版「Mozilla Firefox 3 Beta 1」が公開された。約200万行にも上るソースコードを修正したといわれる新しい描画エンジン「Gecko 1.9」を搭載した新しいウェブブラウザの実力を、早速試してみよう。
Mozilla Firefoxは、Mozilla Foundationが開発しているウェブブラウザである。ブラウザ市場ではかつて、Microsoftが開発するInternet Explorer(IE)が長らく独走状態であったが、IEのリリースがバージョン6以降、長期に渡って中断してしまったことや、IEの描画エンジンがウェブ標準に準拠していないこと、そして対象OSが限られていることなどもあり、IE以外のブラウザの選択肢が求められた。
そのような状況の中で、頻繁にリリースを行いウェブ標準への準拠度も高く、対象OSも幅広いFirefoxは、インターネットのコアユーザの間で注目を集めることとなり、徐々にではあるがシェアを拡大してきた。
Firefoxは、描画エンジンとしてウェブ標準への準拠度が高い「Gecko」を採用しており、Windows、Mac OS、Linuxといった幅広いプラットフォームをサポートしている。また、アドオンと呼ばれる拡張機能が豊富に用意されており、ブラウザを容易にカスタマイズすることが可能である。タブブラウズ機能も早くからサポートされており、パワーユーザを中心としてシェアを広げてきた。
一方で、動作が遅く、メモリを大量に消費するといった欠点も指摘されており、それらがFirefoxを避ける1つの要因にもなっていた。
11月20日、ついに待望のFirefox 3 Beta 1が公開された。新しい機能としては、主に以下のようなものが以前から伝えられていた。
では早速、Firefox 3 Beta 1の実力をみていこう。
Firefox 3 Beta 1は開発者やテスター向けのリリースであり、一般ユーザーのインストールは推奨されていません。インストールとその後の運用について、ZDNet Japan編集部および筆者は責任を負いません。自己責任でお試しください。
それでは、早速Firefox 3 Betaをインストールしてみよう。レビューは以下の環境のマシンで行った。
本稿で示す数値などは上記環境下でテストした結果であり、その他の環境で同じパフォーマンスが得られることを保証するものではありません。
Beta 1は、mozilla.comからダウンロード可能。Windows、Mac OS X、Linuxの各プラットフォームについて、日本語版を含む各国語版のBeta 1が用意されている。
ダウンロードが完了したら、あとは通常のソフトウェアのインストールと同様にウィザードに従って操作を行えばよい。
前のバージョンのFirefoxがインストールされている場合は、別のディレクトリにインストールすれば1つのマシンで両方のバージョンを使用することができる。ただし、その場合はどちらのバージョンも同じプロファイルを使用することになるので注意が必要だ。新規プロファイルを作成してそれぞれのバージョンで異なるプロファイルを利用することも可能である。また、同時に複数のバージョンを起動するには、環境変数MOZ_NO_REMOTEを設定する必要がある。手順は「複数の Firefox を同時起動する - えむもじら」が詳しい。
本稿執筆後、ブログ「えむもじら」の同エントリに、より簡単に複数のFirefoxを同時に起動する方法が寄せられた。起動オプションに「-no-remote」を追加することで、複数起動が可能になるという。詳細は同エントリのコメント欄、もしくは「複数の Firefox を同時起動する - 簡易版 - えむもじら」を参照して頂きたい。
実際に使用してみた最初の感想は「軽い!」の一言だ。起動時こそ少し待たされるものの、ページの描画やタブの切り替えなどは体感ではっきりと分かるほど速度が向上している。特に、Firefox 2では多数のタブで同時にページ読み込んでいる最中にタブ切り替えを行った場合、2、3秒動作が止まるような現象が起こっていたが、Firefox 3では見事にその問題が解消されている。
メモリ使用量も比較してみた。条件を対等にするため、Firefox 2にインストールされているアドオンを全て無効にした上でZDNet内のページを10ページと、Google Reader、Gmail、Google Mapsを表示してみた。以下が、それぞれのメモリ使用量である。
意外なことに、Firefox 2が約112MBであるのに対してFirefox 3 Beta 1が約115MBとなり、ほぼ同じであるという結果が出てしまった。どうやら、この実験を見た限りではメモリの使用量自体に大きな変化がないようである。ただ、Firefox 2の場合は長時間ブラウザを使い続けるとどんどんメモリ使用量が増えていくという問題があった。Beta 1でその問題が改善されているかどうかは、残念ながら未検証である。
前のバージョンまではGUIの見た目がWindows標準のものと少し異なっていたが、Beta 1からは他のWindowsアプリケーションと同様の標準的な見た目に変更されたようだ。筆者はかつてIEからFirefoxへの移行を検討した際に、Firefoxの見た目が異なっているのが気になり、それを躊躇した経験がある。この改善はFirefoxの利用者のさらなる拡大につながるのではないだろうか。
Firefox 2には、HTMLのテキスト中に含まれているURLは、どんなに長くても改行されずに1行で表示されてしまうという問題点があった。この問題もBeta 1では解決されている。以下の画面を見ていただきたい。
一目瞭然であるが、Beta 1ではURLの区切りで適宜改行が挿入されるようになり、ページのレイアウトを崩すことがなくなった。
Firefox 2までは、テキストの拡大縮小機能はあったが、ページに含まれる画像の拡大縮小には未対応だった。これがBeta 1では、OperaやIE 7と同じように、画像を含むページ全体を拡大縮小できるようになった。以下の画面を見ていただきたい。
お分かりのように、Beta 1ではテキストとともに画像も拡大されるようになり、ページのレイアウトが崩れる問題はなくなった。ただ、固定幅のウェブサイトではページがウィンドウをはみ出してしまうという新たな問題も起こっている。
Firefox 3では、大幅に書き直された描画エンジン「Gecko 1.9」が採用され、ウェブ標準により準拠した画面表示を行うことができるようになったという。
ウェブ標準に準拠しているかどうかを確認する1つの方法として、「Acid2 Browser Test」というものがある。これは、HTMLやCSSの解釈、PNGファイルの表示などに関して、ブラウザが正しく標準に準拠しているかどうかを確かめるためのテストである。同サイトを開いた際に、それらの技術を多用して描かれたスマイリーが正しく描画されるかどうかで、ブラウザの標準への準拠度が判断できる。
以下に、Firefox 2とFirefox 3でのテスト実行結果の画面を示す。
Firefox 2ではスマイリーが描画されないが、Beta 1ではスマイリーが正しく描画されている。このことから、Beta 1のウェブ標準への準拠度が実際に向上していることがうかがえる。
以上、主にBeta 1の利点を述べてきたが、一方で問題もある。Firefoxの魅力の1つにアドオンの豊富さが挙げられるが、まだリリースされたばかりということもあり、ほぼ全てのアドオンがBeta 1には対応していない。
今回のBeta 1は当のアドオン開発者などが利用するためのリリース。Firefox 3正式版のリリースまでに、対応するアドオンが続々とラインナップすることになるだろう。
ここまで、重要と思われる変更に注目していくつかを紹介したが、そのほかにも細かい点で多数の変更が確認できる。
まず、ロケーションバーの右側にある下向きの矢印をクリックすると、今までに表示したページの一覧が表示されるが、Beta 1ではそこにページのアイコンも表示されるようになり、ブックマークされているページにはスターも付加されるようになった。
また、アドオンの管理画面からFlashやQuickTimeなどのプラグインの管理も行えるようになったほか、ファイル形式とアプリケーションとの関連付けの設定も、以前より直感的に行えるようになった。
そのほかにも、タブのスクロール時にアニメーションが付加されたり、ダウンロードマネージャの見た目が変更されたり、ブックマークにタグを付加できるようになったりと、さまざまな改善がなされている。
もちろん、Firefox 3 Betaはまだベータ版であり、仕事で使っているようなマシンへのインストールはおすすめできない。しかし、以前からFirefoxの動作の遅さに不満を感じていた筆者としては、アドオンが揃えばすぐにでも完全移行したい気持ちでいっぱいだ。
操作の快適さは以前のバージョンよりもはるかに向上しているため、そのためだけにでもインストールする価値があるのではないかと感じられる。
正式版の公開が非常に楽しみである。
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