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セールスフォース、「PaaSの推進でマルチアプリケーション、マルチカテゴリー企業になる」 |
11月下旬に東京都内にて開催された「SaaS World 2007」で、ゲストスピーカーとして招かれた1人にSalesforce.comの最高マーケティング責任者(CMO)、Clarence So氏がいる。
So氏は、SaaSの市場は今後大きな成長が期待されており、Salesforce.comはマルチアプリケーション、マルチカテゴリーの企業になることで、その領域でのナンバーワン企業を目指すとしている。同氏に、SaaSの市場状況の今後の予測と、それに対するSalesforce.comの戦略について話をきいた。
Salesforce.com 最高マーケティング責任者 Clarence So氏いかにして、マルチアプリケーション、マルチカテゴリーの企業になるかということです。そのための1つの方向性として、「PaaS(Platform as a Service)」というコンセプトを打ち出し、サービスを展開しています。PaaSには顧客も高い関心を示しています。講演のなかではPaaSを利用した事例として、Walt DisneyとElectronic Arts、そして旧 郵政公社の事例を紹介しました。
PaaSの1つとして、新たなサービスの「Visualforce」についてもデモを用い説明しました。Salesforce.comのCRMアプリケーションとMicrosoftのWindowsのユーザーインターフェイスを融合し、ユーザーが使いやすい環境を実証できたと思います。Visualforceについては、米国で9月に開催されたイベント「Dreamforce 2007」以降、プレビュー版が3000以上もダウンロードされ開発者に利用されており、多くのレスポンスをもらっています。
Visualforceについては、現場でタブレットPCを使いたいという米国の保険会社の事例で、多機能なSalesforce.comの標準画面ではなく、専用のシンプルなユーザーインターフェイスをVisualforceで簡単に構築した例があります。また、Visualforceではありませんが、ERPアプリケーションを提供するCODAという会社は、すべてのアプリケーションをForce.comの上でネイティブアプリケーションとして開発しています。
さらには、BIベンダーのCognosも、Salesforce.comのデータをCognosのユーザーインターフェイスで活用できるものを発表しています。こういったパートナー企業との協業は、9月のDreamforce以降すでに20件以上発表しています。
Visualforceの優先度だけが特に高いわけではありません。マルチアプリケーション、マルチカテゴリー企業になるためには、2つの主たる製品戦略があります。1つはOn Demandのアプリケーション領域でリーダーシップをとり続けることで、もう1つがプラットホームでもリーダーであり続けることです。そのためには、より多くのものを市場に展開していかなければなりません。
ユーザーの成功につながるサービスを提供する努力をすることです。とにかくサービスにログインしてもらい、利用してメリットを感じてもらう。顧客が成功すれば、結果的にはアプリケーションも増えます。Salesforce.comが提供する7つのアプリケーションでもいいですし、AppExchangeで提供されている700を超えるアプリケーション、あるいは顧客が作るforce.comのアプリケーションなど、利用するのはどれでもよいのです。それを使って顧客が成功することが重要です。
日本市場は、成長のポテンシャルが大きいと感じています。旧 郵政公社の事例は、ビジネス拡大のための大きなマイルストーンになっています。この事例では、日本でも実績の大きい日立ソフトウェアエンジニアリングがSIerとして参加しています。日本において、ローカルの顧客とパートナーから指示してもらったことで、急成長のための土台が完成したと考えています。
とはいえ、これはほんの1つの例に過ぎません。規模の大小に関わらず多くの顧客が日本にはすでに存在し、多くの顧客とパートナーから指示を得ることができました。まさに、急成長を実現できる時期にきたと感じています。
米国では、新たな顧客獲得の大半は口コミによるものです。顧客の口コミでの評判が広がることで、ビジネスが成長する転換期を迎えることができました。日本もようやくその状況になったということです。イベントでは、私の前に総務省の秋本芳徳氏が講演しました。彼は、SaaSが日本を変化させるものであり、世界を変化させるものだと興奮気味に語っていました。今後は何百、何千という企業がSaaS市場に参入してくると指摘し、政府としてはその状況を安全に信頼性高く運用できるよう基準作りをしていきたいとのことです。こういった政府の動きも、日本におけるSaaS市場拡大の追い風になると考えます。
それについては、2つの答えがあります。1つは、既存のプラットホームや一元的なリポジトリとなる顧客データベースといったものがきちんと整備されていない企業や組織に対して、そういったものが必要であると認識してもらうことです。そういう組織に、何か手を打たなければいけないと意識させることが、ある種の競合と言えるでしょう。
もう1つは、多くの企業ではMicrosoftやOracle、SAPの製品をなにかしら利用しているか、利用していなくてもこうした企業からアプローチを受けています。あるいは、友人の会社がすでに何か製品を利用していて、評判を聞くかもしれません。そういった状況に対し、Salesforce.comの評判をきちんと顧客に届ける必要があります。
IDCの最近の予測では、On Premiseの売り上げ規模が約1000億ドル、それに対してOn Demandは、さまざまなものを合算しても20〜30億ドル程度です。これが、将来的に同じ規模に近づくかは分かりませんが、現状の数%の状況からは大きく伸びることは確実です。現状On Premiseの1000億ドルの多くは、大手企業のものでしょう。On Demandは中小企業もこれまでITを導入してこなかった企業も含まれてくるので、アプリケーション全体では3000億ドルくらいになるかもしれません。仮にそのうちの25%がOn Demandだったとしても、市場はかなり大きく拡大します。
とはいえ、Oracle FinancialやMicrosoft Officeといったアプリケーションを一夜にして止め、On Demandに移行するということはないでしょう。Gartnerは、2011年にSaaSが25%を占めると予測しています。金融機関もよく利用しているTriple Treeという調査会社は、その数字を40%と予測しています。どうなるかを予測するのは難しいですが、市場が急激に拡大することだけは確実です。
ちなみに、GartnerはCRMでは2009年までに50%がSaaSになると言っています。そうであるならば、その時点でOn Demand CRMの領域で25%以上のシェアを獲得しているべきだと考えています。ERPやSCMはOn Demandにあまり向いてはいないかもしれませんが、CRMはOn Demand向きです。人事(HR)アプリケーションもそうでしょう。HRは5年後には75%くらいがOn Demandになるかもしれません。講演で紹介したElectronic Artsの事例も、人材採用のアプリケーションです。Morgan Stanleyでも、Salesforce.comをHR用途で利用しています。
HRで有名だった米PeopleSoftは現在Oracleに買収されましたが、その創業者だったDave Duffield氏がWorkdayという新しい会社を興し、PeopleSoftで実現していたアプリケーションをすべてOn Demandで実現しようとしています。WorkdayのアプリケーションがAppExchangeになるという発表はしていませんが、これはSalesforce.comともよく適合するものとなっています。
米国では非常に関心が高く、スペースが足りなくなるほど参加がある状況です。これには、パートナー企業も高い関心をもっています。成果も、AppExchangeのかたちでいくつか出てきています。日本についてもやることは確かなのですが、現状は場所を探している状況です。日本は不動産物件が高いと聞いていますので、そのあたりで苦労しているのだと思います。
3つあります。1つはマルチテナントなサービスであることです。2つ目がサブスクライブ方式で、利用した分だけの費用を払う従量課金制度であること。そして3つ目は、実際にログインされて活用されているサービスだということです。3つ目の条件は、実は半分冗談です。名前こそ出しませんが、ユーザー数の数え方がかなりいい加減なベンダーもありますので。Salesforce.comではアクティブユーザーしかユーザーとして数えていません。
CRMにおいては、カスタマイズ性は重要でしょう。それは企業ごとにCRMの仕組みが異なるからです。しかし、例えばメールであれば、1人の会社でも100万人の会社でもあまり変わるものではありません。Gmailはシンプルな構造ですが、十分に機能しています。つまり、カスタマイズ性は絶対条件ではありません。
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