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電機大手11社の2007年度決算を読む--ソニー・日立 |
ソニーは、売上高が前年比6.9%増の8兆8714億円、営業利益は421.9%増の3745億円、税引前利益は357.0%増の4663億円、当期純利益は192.4%増の3694億円となった。売上高および当期純利益は過去最高。営業利益は前年度実績の5倍以上となり、史上2番目の水準となった。
特に主力のエレクトロニクス分野は、売上高が8.9%増の6兆6138億円、営業利益が121.8%増の3560億円となり、いずれも過去最高を記録した。しかし、テレビ事業の売上高こそ前年比11%増の1兆3500億円だが、営業損失は前年に比べて約500億増加の730億円の赤字。さらに、ゲーム分野も売上高が26.3%増の1兆2842億円と大幅な成長を見せたものの、営業損失は1245億円の赤字となった。
だが、ソニー 執行役EVP兼CFOの大根田伸行は、「赤字のゲーム部門も下期は黒字に転換している。PLAYSTATION 3のコスト改善およびソフトウェアの増益、さらにPSPの販売好調、PlayStation 2の東欧、中東、アジアでの販売好調などが影響し、ハード、ソフトともに利益の回復に貢献している」と述べた。
PLAYSTATION 3の販売台数は前年比156%増の924万台と大幅に増加。PlayStation 2は前年比7%減の1373万台、PSPは46%増の1389万台となった。
ソニー 執行役EVP兼CFO 大根田伸行氏
ソニーは2005年度から現経営体制への移行にあわせて構造改革を実施している。2000億円のコスト削減、製造拠点の統廃合などの目標は予定通りに完了した。また、2007年度の事業目標として、連結営業利益率5%、エレクトロニクス事業で4%を掲げてきたが、2007年度実績は全社では4.2%、エレクトロニクス事業では5.4%となった。全社目標は下回ったものの、課題となっていたエレクトロニクス事業では目標を大きく上回る結果となった。
大根田氏は「この3年間で消費者が望むものをタイムリーに出していくことができるようになった。また、この2年でマネジメント体制が強くなり、エンジニアの1人よがりで売れないものを出すということがなくなり、顧客中心での製品が出てきた。6月には新たな中期経営計画を発表するが、5%の営業利益率はボトムと考えている。2007年度はやることはやった。ソニーの実力がここで終わるとは考えていない」と意気込みをみせている。
一方、2008年度の業績見通しは、売上高が1.4%増の9兆円、営業利益は20.2%増の4500億円、税引前利益は5.6%減の4400億円、当期純利益は21.5%減の2900億円とした。
エレクトロニクス事業に関しては、液晶テレビ、PC、サイバーショットなどで増収を見込むものの、米ドルに対する円高の影響を鑑み、売上高は横ばいと予想している。
また、ゲーム事業においては、PlayStation 2の減収に伴い分野全体で減収を見込んでいるが、PLAYSTATION 3のハードのコスト削減、ソフトタイトルの充実から大幅な改善を予想、分野全体で黒字化を見込んでいる。PLAYSTATION 3の販売目標は約1000万台、PSPは1500万台を見込んでいる。
日立製作所は、売上高が前年比9.6%増の11兆2267億円、営業利益は89.3%増の3455億円、税引前純利益は60.5%増の3247億円となったものの、当期純損失は581億円の最終赤字となった。
部門別では、情報通信システムが金融機関向けの大口案件により売上高は前年比12%増の2兆7611億円、営業利益は92%増の1161億円と好調な業績。
一方、構造改革を推進している薄型テレビなどが含まれるデジタルメディア・民生機器事業の売上高は前年並の1兆5046億円、営業損失は1099億円の赤字と、対照的な結果となった。
また、電子デバイスの売上高は前年並の1兆2935億円、営業利益は18%増の540億円。電力・産業システムの売上高は前年比18%増の3兆5681億円、営業利益は280%増の1384億円などとなった。
注目点としては、課題事業となっていたハードディスクドライブ事業が、下期に2四半期連続で黒字化したことだ。
同社執行役専務 中村豊明氏は「ヘッド・メディアを中心にしたコスト削減施策の効果や、競争力のある新製品を、タイムリーに市場投入できたことなどが成果として出ている。今年4月からの第2四半期も黒字でスタートしている」と述べており、今後、収益事業として業績に貢献することになりそうだ。
日立製作所 執行役専務 中村豊明氏
2008年度の業績見通しは、売上高が前年比1.1%減の11兆1000億円、営業利益は10.0%増の3800億円、税引前純利益は1.6%増の3300億円、当期純利益は400億円。2007年度の最終赤字から黒字転換を図る計画だ。
情報通信システムは、前年度に大口案件があった反動で、売上高は前年比5%減の2兆6200億円と減収を見込むが、営業利益は29%増の1500億円と大幅増益を計画している。ここにもハードディスクドライブ事業が黒字基調へと転換したことが見逃せず、ハードウェアでは営業利益が495%増の500億円を目指している。
また、電子デバイスは、売上高が3%減の1兆2600億円、営業利益は20%減の430億円。電力・産業システムの売上高は前年比4%増の3兆7000億円、営業利益は1%増の1400億円。デジタルメディア・民生機器の売上高は前年比1%増の1兆5200億円、営業損失は350億円の赤字としている。デジタルメディア・民生機器の黒字化は大きな鍵となりそうだ。
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