掲載日時: 2008-09-26 21:05

「仮想マシン単位の価格はマイクロソフトの方が高い」--ヴイエムウェアが反論

VMware 製品マーケティング シニアディレクターのBogomil Balkansky氏が、VDC-OSやOSそのものの意味について、また強敵Microsoftについての意見を述べた。

著者 : 藤本京子(編集部)

URL : https://japan.zdnet.com/article/20381007/

 仮想化をテーマとしたイベント「VMWorld 2008」にて、Virtual Datacenter OS(VDC-OS)という新しい製品カテゴリーを発表したVMware。こうした同社の姿は、以前に比べてよりいっそうマーケティングに注力しているように見える。この筆者の意見に対し、VMware 製品マーケティング シニアディレクターのBogomil Balkansky氏は「それは正しい見解だろうね」と話す。「今までVMwareではあまり将来のことについて語ることはなかった。しかし今では、こうしたことが重要になってきたのだ」(Balkansky氏)

 なぜVMwareにとって将来を語ることが重要になってきたのか。それは、「VMwareを頼りにしている顧客数が増えているからだ」とBalkansky氏。「顧客は、来年の予算を前もって立てなくてはならない。その際に、VMwareが今後どのような製品を出すのかを知り、それを導入すべきかどうかを検討するためにも、VMwareの方向性をできるだけ早く知りたいと考えているのだ」(Balkansky氏)

 VMwareが新しく発表した製品群の中でも、同社の中核事業となるデータセンター全体の仮想化を実現する製品がVDC-OSだ。これは、現在「VMware Infrastructure」と呼ばれる仮想インフラストラクチャスイート製品を、「データセンター用のOS」として新たに分類したものだ。

Balkansky氏 VMware 製品マーケティング シニアディレクターのBogomil Balkansky氏

 なぜここで「OS」という言葉を使うのか。Balkansky氏は「OSとは、ハードウェアとソフトウェアをつなぐもの。VDC-OSは、サーバとストレージ、ネットワークというインフラをひとつの大きなリソースとし、アプリケーションにつなげるものだ」と説明する。このように、WindowsやLinuxなどのOSと同じ働きをしているとして、VDC-OSが「OS」そのものであるとした。

 ただし、WindowsやLinuxとVDC-OSには大きな違いがある。それは、「WindowsやLinuxは、1台のサーバ用に作られたOSに過ぎない」(Balkansky氏)ということ。VDC-OSは「データセンター全体のOS」なのだ。「VDC-OSは、x86サーバをベースにメインフレームを作り上げたようなもの。サーバが1台動かなくなっても、隣のサーバがカバーする。VDC-OSを利用したシステムは、柔軟性に高く、自己修復型のシステムになる」(Balkansky氏)

 VDC-OSは、WindowsやLinuxを置き換えるものではないという。たいていのアプリケーションはWindowsやLinux上で稼働するように開発されているため、「こうした単体サーバ用のOSは今後も必要だ」とBalkansky氏。ただ、VMwareのCEO、Paul Maritz氏が「新しいアプリケーションの中にはOSが重要ではない、または必要がないといったものも出てきている」と述べているように、WindowsやLinuxの位置づけが変わってくる可能性はある。

 「VMwareのゴールは、どんなアプリケーションでもサポートすることだ。WindowsやLinuxを必要とするアプリケーションはもちろん、その他のOSが必要なアプリケーションも、OSを必要としないアプリケーションも、VDC-OSの上では動くようにする」(Balkansky氏)

 8月末にはVMwareがRed Hatの買収を検討しているとのうわさも出たが、上記のような理由からBalkansky氏は「単体サーバ用のOSがわれわれの戦略の中心になることはない」として、VMwareがRed Hatを買収するメリットはないと述べた。

MSのHyper-Vには「性能的にも価格的にも勝っている」

 一方、VMwareにとって一番の強敵となるMicrosoftについてBalkansky氏はどう考えているのだろうか。同氏は、Microsoftが手ごわい競合だと認めてはいるが、「Microsoftの提供する仮想化機能の『Hyper-V』は、ハイパーバイザーだが、ハイパーバイザーはソリューションの一部に過ぎない」と言う。「VDC-OSを車に例えると、ハイパーバイザーはエンジンでしかない。重要な部品のひとつであることには違いないが、それだけでは意味をなさないのだ」(Balkansky氏)

 また、ハイパーバイザーのみを比較しても、「VMwareの提供するハイパーバイザーVMware ESXは、Hyper-Vより優れている」とBalkansky氏。ESXは、メモリの最適化機能で効率的にメモリが使えるため、ひとつのサーバでより多くの仮想マシンを走らせることができるほか、安定性が高く「大手製薬会社で約4年間システムがダウンすることがなかったという実績もある」とBalkansky氏は話す。

 「顧客は新しい技術の導入には保守的で、すぐに飛びつくことはない。Hyper-Vはまだ発表されたばかりの製品だ。一方のESXは、すでに数多くの導入事例があり、米国に限って言えば顧客の70%がテスト環境のみならず実環境でESXを展開している」(Balkansky氏)

 MicrosoftがWindows Server製品にHyper-Vをバンドルして提供したとしても、「ESXも今は無料でダウンロードできる。よりよい製品が無料となれば、ユーザーも試してみる気になるだろう」とBalkansky氏。また、VMwareのソリューションが高価だというMicrosoftの主張についてもBalkansky氏は、「Hyper-Vの約2倍の仮想マシンを走らせることが可能なVMware製品を使えば、仮想マシン単位での価格はHyper-Vを使った場合よりずっと安価だ」と説明した。

比較表 VMwareとMicrosoftの仮想化製品をTCOで比較した表(提供:VMware Inc.)

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