掲載日時: 2008-10-15 08:00

コンピュータ視覚症候群を防ぐための10+のティップス

コンピュータ視覚症候群の症状について簡単に説明した後、目の疲れを軽減するための実用的な方法を紹介する。

著者 : 文:Susan Harkins(Special to TechRepublic) 翻訳校正:村上雅章・野崎裕子

URL : https://japan.zdnet.com/article/20381949/

 最近の研究により、1日に2〜3時間しかコンピュータを使用しない人でも目に重大な悪影響が与えられるようになることもあるという事実が明らかになってきている。そこで本記事では、そういった目の症状についてまず簡単に説明してから、目の疲れを軽減するための実用的な方法を紹介している。

 あなたが1日のうち2〜3時間はコンピュータに向かっているというのであれば、コンピュータ視覚症候群(Computer Vision Syndrome:CVS)にかかっているかもしれない。CVSの症状としては頭痛や、焦点が合わない、(強度の)ドライアイ、疲れ目、ものが二重に見えたりかすんで見えたりする、首や肩が痛む、などがある。

 もしもあなたがこういった症状に悩まされているとしても、それはあなただけではない。オハイオ州立大学のDelia E. Treaster氏による2003年の研究によると、コンピュータを使用する人の90%以上が目の疲れを感じているという。また、コンピュータを使用する時間が長くなるほど、症状が重くなるという。同氏は2003年の研究において、仕事でコンピュータを使うという2万5000人を3年間にわたって調査したT. Nakazawa氏の2002年の研究報告書を引用している。この調査によって、1日に5時間以上コンピュータを使う労働者は重度の疲れ目に悩まされているということが明らかになっているのだ。

 悪いのはコンピュータの画面である。人間の目は、コンピュータ画面上に表示されている文字を、紙に印刷されている従来の文字ほどうまく処理できないのである。印刷物の文字は滑らかであるが、コンピュータ画面上の文字はそうではない。人間の目は集中してコンピュータ画面上の文字に焦点を合わせ続け、断続的に緊張を緩めているのである。そして、焦点がずれると懸命になってまた焦点を合わせる。すると目の筋肉を常に収縮させることになり、目が疲れるわけである。なお、コンピュータの画面だけが原因ではないということに注意してほしい--携帯電話やPDAなど、われわれの使用する電子機器の多くも疲れ目の原因となっているのである。

 幸いなことに、CVSの症状を軽減するためにできる簡単なことが数多くある(そしてそれらのほとんどは無料で行える)のである。ひどくなるまで放って置いてはいけない。以下の対策を今すぐ実行に移すべきである。

#1:適切な照明を使用する

 大半のオフィスでは、まぶしく、そしてしばしば目にきつい照明が用いられている。明るければ明るいほど目に優しいのだろうか?残念なことに、そういうわけではない。とは言うものの、明る過ぎて目にきつい光という問題を解消する方法は難しくない。自らの身体が明る過ぎる光によってダメージを受けていると知ることの方が大きな問題なのである。

 部屋に窓があるのであれば、ブラインドやカーテンを用いることで、差し込む光の量を制限するべきである。また、部屋の照明については、輝度の低い白熱灯や蛍光灯を使用するべきである。もしも部屋に窓と照明があるのであれば、部屋の照明を消し、快適な明るさになるまでブラインドやカーテンを開けるようにすべきである。

 明るい光の下で働くことに慣れている場合、最初は物足りない気がするかもしれない。時間をかけてより柔らかな照明に慣れるようにしよう。自身では光量をコントロールすることができない場合、色付きメガネの着用を検討すべきである。

#2:作業環境から生み出されるぎらつきを低減する

 ぎらつきとは、壁やコンピュータ画面といったものの表面から反射されてくる光のことである。人はしばしば、こういったぎらつきを無意識のうちに補正している場合すらある。このため、ぎらつきは意識的に探さない限り見つけることができないかもしれない。ぎらつきを低減するためには、以下のような対策を採ることができる。

 アンチグレア処理されたモニタは問題の一部を解決するだけである。これはモニタのぎらつきを抑えてはくれるものの、目の焦点を合いやすくしてくれるわけではないのである。

#3:モニタの設定を適切なものに調整する

 目の疲れを軽減する最も簡単な方法の1つは、モニタの輝度とコントラストの設定を調整するというものである。これが正しい、あるいはこれは間違っている、という設定はない。あなたが快適であると感じるようになるまでいろいろと調整してみればよいのである。

 背景が明るいのであれば、輝度を下げてみよう。また、背景と文字のコントラストを高くしておこう。一般的に言って、明る過ぎる設定にしている人が多い。とは言うものの、暗すぎても目が疲れるのである。

#4:テキストのサイズや色を調整することで快適さを最大限にする

 画面上に表示されるテキストは、サイズや色を調整することで目に優しいものにすることができる。まずテキストのサイズを大きくしてみよう。画面上により多くのテキストを表示させるためにサイズを最小に設定している人も多いことだろう。しかし、それが問題を悪化させているのである。そうではなく、読むことのできる最も小さなサイズの2倍か3倍の大きさに設定しておくべきなのである。ほとんどすべてのソフトウェアや、大半のブラウザではテキストのサイズを調整できるようになっている。可能であれば、背景色を白に、テキストを黒にするべきである。また、ごちゃごちゃした背景は避けるべきである。こういった設定を行えない場合もあるものの、設定できる場合には設定すべきである。

#5:休憩をとる!

 1日の仕事のうち、大半をコンピュータの前で過ごすというのであれば、間に休憩をはさむようにすべきである。米国労働安全衛生研究所(The National Institute of Occupational Safety and Health:NIOSH)は、コンピュータを使用する業務に従事する労働者は通例では1日2回の15分間休憩に加えて、少なくとも4回の5分間休憩をとるべきであると勧告している。あなたがこういった1日2回の15分間休憩をとっていないのであれば、コンピュータを使用する業務を1時間行うたびに5分間の休憩をとるべきである。米国オプトメトリック協会(American Optometric Association:AOA)は、コンピュータを使用する場合には2時間ごとに15分間の休憩をとるよう勧めている。

 AOAはまた、定期的に休憩をとることができない場合には20/20ルールに従うようにともアドバイスしている。これは、20分ごとにモニタから目をそらし、遠くにあるものを20秒間見つめるというものである。

 (職場における休憩はデリケートな話題であるため、自らのニーズについて上司と話し合い、無用なトラブルを引き起こさないようにしてほしい)

#6:モニタをきれいにしておく

 本記事におけるすべてのティップスの中で最も簡単なのは、モニタをまめに拭くというものである。埃や指紋、その他の汚れは気を散らされる原因となり、読み取りを困難にする。埃は、そこにあることが判らない場合もしばしばある。モニタをきれいに拭くということを習慣にしよう。毎朝拭いてもまめ過ぎるということはなく、日課にしてしまうのも簡単なことだろう。

#7:手元の文書を正しく配置する

 手元の文書とコンピュータ画面の間で視線を移動させることは、目を疲れさせる原因となる。疲れ目を軽減するために、手元の文書をできるだけモニタの近くに配置するべきである。また、可能であれば文書を立てて置くことのできるブックスタンドを使用しよう。

 こういった際にも、ちゃんとした照明がほしくなるはずである。小さな電気スタンドでも用は足りるだろうが、手元の文書に光が当たるようにし、顔を照らしたりモニタで反射することがないよう置き場所を慎重に選ぶ必要がある。また、ソフトな照明を使うことも忘れないようにしてほしい。

#8:正しい位置に座る

 モニタに近付き過ぎないようにするべきである(ほとんどの人はモニタに近付き過ぎている)。モニタは目から20〜24インチ(50〜61cm)離れた位置に、そして画面の中央を10〜15度で見下ろせるように配置すべきである。こういった位置が最も目に優しいのだ。

 自身とモニタの距離を変えることができないという場合、その距離に合わせてテキストのサイズを調整すべきである。例えば、モニタの位置が理想よりも遠い場合には、テキストのサイズを大きくすべきである。これは最善の解決法ではないものの、遠過ぎる位置にあるものを無理して見るよりも良いはずである。

#9:コンピュータ用のメガネを使用する

 以上のティップスを実践しても効果がないのであれば、コンピュータを使用する時にのみ着用する専用のメガネが必要かもしれない。こういったメガネは、近所のディスカウントストアで買ってくるというわけにはいかない。医師の処方箋が必要になるのだ。

 読書用のメガネをかけることでCVSの症状を緩和しようとしてはいけない。読書用のメガネは16〜21インチ(40〜53cm)の距離にあるものを見るためのものなのである。一方、コンピュータ用のメガネは18〜28インチ(46〜71cm)の距離にあるものを見るためのものなのだ。普段の読書とコンピュータを使った仕事の双方を1つのメガネで済ませられることはまずないのである。

#10:その他の対策を探す

 何をやっても効果が無いというのであれば、少し違うこと、例えばヨガをやってみてはどうだろうか。291人を対象としたインドでの調査によると、調査対象の半数の人々に週5日間毎日1時間ヨガをやってもらったところ、60日後には症状の緩和が見られたという。その一方、ヨガをやらなかった残りの半数の人々には症状の緩和が見られなかったという。ヨガをやって疲れ目の症状が改善されなかったとしても、楽しめるし、全体的に気分も良くなるはずだ。

#11:提案者になる

 数多くの企業が視力眼科保険を導入している。あなたの企業では導入されておらず、あなたが1日の大半をコンピュータの前で過ごしているというのであれば、人事部門に話をしてみよう。企業によっては、1日の大半をコンピュータの前で過ごす従業員のために専用メガネの購入費用を負担しているところもある。こういった制度があるかどうか、尋ねてみても損はないだろう。ない場合には、意義あることとして、企業ポリシーの変更を求める旗手になってみてはどうだろうか。こういった場合に、あなたの要求を裏付けるために使用することのできるオンラインリソースを以下に挙げておく(すべて英語)。

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